高齢者の感染症予防について
肺炎予防について
肺炎は日本の死亡原因の第5位であり、成人の肺炎の約2~3割は、肺炎球菌という細菌により引き起こされるとの報告があります。肺炎球菌予防接種を受けることで、肺炎の原因で一番多い「肺炎球菌」による肺炎の予防や、かかっても軽い症状ですむ効果があります。
肺炎球菌感染症とはどんな病気?
肺炎球菌感染症とは、肺炎球菌という細菌によって引き起こされる病気です。この菌は、主に気道の分泌物に含まれ、唾液などを通じて飛沫感染します。日本人の約3~5パーセントの高齢者では鼻や喉の奥に菌が常在しているとされます。これらの菌が何らかのきっかけで進展することで、気管支炎、肺炎、敗血症などの重い合併症を起こすことがあります。
高齢者用肺炎球菌リーフレット [PDFファイル/1.25MB]
肺炎球菌予防接種
ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)を1回接種します。
- 皮下または筋肉内注射
- 肺炎球菌による肺炎の重症度と死亡のリスクを軽減させる
一部公費負担について
今までに高齢者用肺炎球菌予防接種を受けたことがない、接種日において65歳の方は一部公費負担で接種することができます。
高齢者用肺炎球菌予防接種について詳しくは、市ホームページ高齢者用肺炎球菌予防接種をご覧ください。
帯状疱疹予防について
帯状疱疹とはどんな病気?
帯状疱疹とは、体内に潜んでいる水痘(水ぼうそう)・帯状疱疹ウイルスが、体力の低下(心身のストレスや加齢など)により活性化し、おこるものです。帯状疱疹は50歳以上になると発症率が上昇し、80歳までに3人に1人がり患するともいわれており、誰でもかかる可能性がありますので注意が必要です。
帯状疱疹の症状
一般的に帯状疱疹になると、初めにピリピリ・チクチクといった神経性の痛みを感じ、数日で発疹や水ぶくれが生じ、赤い帯状に広がります。その後、2週間から4週間程度で症状は治まり、かさぶたとなっていきますが、発疹などの皮膚症状が治まった後も、約2割の方が帯状疱疹後神経痛(Phn)を患う可能性があるといわれています。
帯状疱疹予防接種
ワクチンの種類
ビケン(乾燥弱毒生水痘ワクチン/生ワクチン)
- 回数/1回
- 比較的安価である
- 皮下注射
- 予防効果は50パーセント程度で、効果は統計上8年(注釈1)
- 免疫機能に異常があるもの及び免疫抑制をきたす治療を受けているものに接種してはならない(不明な場合は必ず医師へ相談すること)
シングリックス(乾燥組換え帯状疱疹ワクチン/不活化ワクチン)
- 回数/2回
- 値段が高い
- 50歳以上の有効性:97.2パーセント(注釈2)、帯状疱疹後神経痛の発症なし。70歳以上での有効性:89.8パーセント(注釈3)
- 筋肉内注射
- 水痘の予防接種には転用できない
- 免疫が低下している場合でも接種が可能
(注釈1)ZOSTAVAX®成績より
(注釈2)Lal H. et al.: N Engl J Med. 372(22),2087-2096,2015
(注釈3)Cunningham Al. et al.: N Engl J Med. 375(11), 1019-1032, 2016
一部公費負担について
市では、接種日に戸田市に住民登録をしている50歳以上で、令和6年4月1日以降に帯状疱疹ワクチン予防接種を実施した方について、接種費用の一部助成を行っています。
帯状疱疹予防接種費用助成リーフレット(戸田市) [PDFファイル/4.89MB]
帯状疱疹予防接種費用助成について詳しくは、市ホームページ戸田市帯状疱疹ワクチン任意予防接種費用助成事業をご覧ください。
RSウイルス感染症について
RSウイルス感染症とはどんな病気?
RSウイルス感染症(respiratory syncytial virus infection)は、RSウイルスの感染による呼吸器の感染症です。
症状としては、発熱、鼻汁などの軽い風邪様の症状から重い肺炎まで様々です。RSウイルスの初回感染時には、より重症化しやすいといわれています。
RSウイルス感染症の症状
通常RSウイルスに感染してから、典型的には4~6日間の潜伏期間を経て発熱、鼻汁などの症状が数日続きます。多くは軽症で自然軽快しますがが、重くなる場合には、その後咳がひどくなる、喘鳴が出る、呼吸困難となるなどの症状が出現し、場合によっては、細気管支炎、肺炎へと進展していきます。
慢性呼吸器疾患等の基礎疾患を有する高齢者において急性の重症肺炎を起こす原因となることが知られていて、特に長期療養施設内での集団発生が問題となる場合があります。
RSウイルス予防接種
60歳以上を対象としたワクチンがあります。
任意の予防接種となりますので、費用は全額自己負担となります。ワクチン接種に関する詳細は、取り扱いを含め各医療機関へご確認ください。
RSウイルス関連リンク
- RSウイルス感染症Q&A(厚生労働省)
- RSウイルス感染症とは(国立感染症研究所)
お問い合わせ
福祉保健センター 保健政策・感染症対策担当 電話:048-446-6479