自分が働く建物の防火管理者が誰か知っていますか。火災から大切な命を守るため、防火管理者とはどのような目的で置かれ、どのような役割を担うかを理解しておきましょう。
「防火管理」とは？
火災の発生を未然に防止し、万一火災が発生した場合でも、その被害を最小限にとどめるため、必要な対策を立て、実行することです。「自らの生命、身体、財産は自らが守る」、これが防火管理の原則です。
防火管理ができていないと…
2001年9月に東京都新宿区で発生した雑居ビル火災では、適切な防火管理がされていなかったため、44人の尊い命が奪われてしまいました。日頃の点検や管理を怠ると、逃げ遅れや被害拡大などにつながる恐れがあります。
Case1 逃げ遅れ
消防用設備の法定点検を怠っていたため、自動火災報知設備が作動しなかった
Case2 被害拡大
防火戸・防火シャッター部分にものを置いていたため、延焼防止ができなかった
次の建物では「防火管理者」を定める必要があります。
- 従業員などを含む収容人員が10人以上の老人ホーム・障害児入所施設など
- 従業員などを含む30人以上の人が出入りする劇場・百貨店・旅館・飲食店・病院・集会場など
- 50人以上の人が勤務または居住する事務所・工場・共同住宅など
こんな役割を担っています
防火管理者を補佐する火元責任者などと連携して防火管理を行います。
- 火気使用箇所の点検
- 消防用設備等の維持管理
- 防火・避難施設の維持管理
- 火災発生時の初動措置 など