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広報戸田市 2021年11月号

新指定文化財 上戸田氷川神社の「ちからいし」と「きゅうぐろさんかんけいせきぞうぶつ」を見に行こう!

戸田市には、旧中山道(国道17号)が通り、荒川には戸田渡と 船せん場ばがあったりと古くから交通の要よう衝しょうとして栄えてきたことから、たくさんの文化財が残っています。今回紹介する文化財は、2021年3月19日に市で新たに指定された、上戸田氷川神社(戸田市上戸田3丁目20-11)の「力石」と「旧羽黒山関係石造物」です。2つとも渡船場に関係する石造物で、江戸の河岸場から奉納されたものが多く、江戸と戸田の交通・交流を知ることができる貴重な文化財です。ぜひ足を運んでみてください。

力石

力石は、主に江戸時代に若者の間で力比べに用いられた石です。当時は、力石を用いた力比べが全国各地で行われていました。上戸田氷川神社の力石の一部は江戸時代後期から明治時代にかけて、渡船場近くの羽黒山に奉納されたものです。この中には江戸時代に日本一の力持ちといわれたさんみやすけの力石もあり、一番重い力石はなんと187kgもあります。

力石はどうやって持ち上げていたの?

力石を上げる方法は色々あり、両手や片手で頭の上まで持ち上げたほか、重量のあるものは足で支えてその力を競いました。

江戸一番の力持ち!三ノ宮卯之助

卯之助は1848(嘉永元)年の江戸力持番付で、最高位の「東大関」になりました。卯之助の力石は、全国で39基見つかっており、数ある名の付いた力石の中では全国最多です。

卯之助が奉納した力石の中でも、「大盤石」と刻まれている大きな力石は全国でも4基しか確認されていません。上戸田氷川神社に1基奉納されています。

旧羽黒山関係石造物

旧羽黒山に係る石造物は、渡船場近くにあった羽黒山が明治時代に上戸田氷川神社へ合ごう祀し された際、一緒に移転されたものです。羽黒山は、出羽国羽黒山を戸田にかんじょうしたもので、江戸時代に刊行された『めいしょ』にも記載されています。羽黒山の石造物は銘文から江戸時代中期から後期にかけて江戸町内などから奉納されたもので、江戸時代の羽黒山の賑わいとともに江戸町民の信仰のあつさを伺うことができます。

芭蕉の句碑

板橋宿の人達によって造立された句碑。松尾芭蕉が出羽国羽黒山で詠んだ句が刻まれています。

旧羽黒山の石造物は、羽黒山碑、狛犬、水盤、標柱、芭蕉の句碑、力石で構成されています。標柱と安永六年水盤以外は江戸の河岸場や板橋宿から奉納されました。

史料で見る!羽黒山

明治時代に描かれた羽黒山の絵です。中央の塚のようになっているところが羽黒山で、頂上に本殿があります。出典:【日坂盛太家所蔵文書『村誌』】

『江戸名所図会』に描かれた羽黒山の榎です。榎上部の二股に分かれているところが窪んでおり、そこに水が溜まり、霊泉と呼ばれていました。この水を飲むと、病が治るといわれ、霊験を得ようと多くの人が参詣しました。

ふみあるマップ』を活用しよう!

市の文化財に関する情報は『史ある記マップ』に掲載しています。市役所3階生涯学習課・2階総合案内、戸田公園駅前行政センター、郷土博物館、上戸田地域交流センター(あいパル)、市内各公民館で無料配布していますので、ご覧ください。

2021年11月1日(月曜日)〜7日(日曜日)は「文化財保護強調週間」です

全国各地で文化財に親しみ、日本の歴史や文化に触れるさまざまな行事が開催されます。文化財は、国民共有の財産です。出掛けた際には、各地で永らく護り伝えられてきたさまざまな文化財に注目してみてください。

もっと知りたい方は…文化財講座に参加しよう!

力石、羽黒山についてもっと知りたい方は、ぜひご参加ください。

文化財街歩き

とき

2021年11月27日(土曜日)、午後1時~

コース

『史ある記マップ』上戸田コース(市役所西門集合)

講師

郷土博物館学芸員

保険料 100円

定員

15人程

文化財講座「戸田の流行り神 旧羽黒山と力石」

とき

12月5日(日)、午後2時~

ところ

郷土博物館3階 講座室

講師

ほりきよたかさん

(戸田市文化財保護審議会委員)

定員

20人程

申込方法

2021年11月1日(月曜日)~、氏名、電話番号、対象(在住・在勤・在学)、年代、講座名を電話(048-443-5600)、FAX(048-442-8988)、または電子メール(hakubutu○city.toda.saitama.jp)で

(注釈)申込順


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