受動喫煙防止対策
5月31日は「世界禁煙デー」です。
たばこを取り巻く国の状況
1965年(昭和40年)頃は約8割の成人男性がたばこを吸っていましたが、2015年(平成27年)の国民健康・栄養調査では男性の7割、女性の9割強がたばこを吸わない人(非喫煙者)となっています。
厚生労働省の「喫煙の健康影響に関する検討会報告書」によると、喫煙に起因する日本人の年間死亡数は能動喫煙で約13万人、受動喫煙で約1万5千人と推計されています。
「受動喫煙」とは、他人の吸ったたばこの煙を周囲の人が吸わされることを指し、火のついたたばこの先から出る煙(副流煙)には発がん性物質など多くの有害物質を含んでいます。
受動喫煙防止に関する法律は、2003年(平成15年)5月に施行された健康増進法があり、多くの人が利用する官公庁施設や病院などの施設を管理する者が受動喫煙の防止に取り組んできました。
しかし、事務所や飲食店、遊技場など受動喫煙防止対策がうまく進んでいない施設もあり、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、国を挙げ、非喫煙者の健康を守る環境づくりをしていく必要があります。
戸田市における喫煙状況
戸田市における非喫煙者の割合は、戸田市健康増進計画によると、2008年(平成20年)は76.9パーセントでしたが、2013年(平成25年)は82.1パーセントと5.2ポイント非喫煙者が多くなりました。
しかし、2016年(平成28年)4月から12月に実施した乳幼児健診での喫煙状況は下表のとおりであり、父親に関してはどの健診においても3割程度が、母親に関しては、こどもの年齢が上がるほど喫煙率が上昇していました。
健診名 | 父親 | 母親 |
---|---|---|
4か月児健診 | 31.2パーセント | 2.6パーセント |
1歳8か月児健診 | 36.7パーセント | 5.2パーセント |
3歳6か月児健診 | 34.8パーセント | 6.5パーセント |
2016年(平成28年)4月から12月に戸田市に提出された妊娠届出書においても喫煙状況を確認しており、喫煙率は0.7パーセントでした。
市全体としては、喫煙率は減少していますが、親が家庭内で喫煙をする環境があると、胎児の発育に対する悪影響やたばこの誤飲等子どもへの受動喫煙による健康被害が懸念されます。
たばこが及ぼす周りへの影響(受動喫煙)
たばこの臭いや不快感、鼻への刺激以外にも、たばことの因果関係を推定するのに十分なものの疾患として下記のものがあります。
成人
肺がん、虚血性心疾患、脳梗塞
小児
ぜんそくの既往、乳幼児突然死症候群(SIDS)
胎児
妊婦が喫煙することで、早産、低出生体重、発育遅延など、胎児の全身へ影響が及びます。
たばこを吸わない人にやさしい取組
埼玉県内には全面禁煙・空間分煙を実施している施設がたくさんあります。
公共施設だけでなく、スーパーや飲食店など多くの人が利用する施設も含まれており、県内に広がってきています。