戸田ヶ原自然再生事業「豊かな自然を将来の子どもたちへ」
「戸田ヶ原」は、昔、戸田の荒川沿いに広がっていた草はらです。そこは、春になると見渡す限りサクラソウが咲いていたそうです。江戸時代には、サクラソウの名所として知られ、多くの人々がお花見に来ていました。
しかし、大正時代末には、摘み取りにより、サクラソウが減少し、その後まちが大きくなっていくにつれて、1945年ごろ戸田ヶ原はその姿を消しました。
そこで、戸田市では、戸田のふるさとの原風景である戸田ヶ原を取り戻そうと、2007年から自然再生に取り組んでいます。
目次
戸田ヶ原最新情報
戸田ヶ原ニュースレター
戸田ヶ原の様子などを年に4回お届けしております。
戸田ヶ原自然再生ブログ
戸田ヶ原の様子をリアルタイムで発信しています。
ブログはこちらから(公益財団法人埼玉県生態系保護協会が管理するページ)
戸田ヶ原自然再生キャラクター「とだみちゃん」
戸田市の自然を見守る妖精をイメージし、戸田ヶ原の「とだ」と、見守るの「み」から「とだみちゃん」と名づけられました。みなさん、よろしくね!
サクラソウなど野生の草花が彩る湿地プロジェクト
サクラソウを代表とする草花が彩り、多くの野生の生きものが生息・生育する湿地を目指します。
現在、以下の湿地再生区域において、自然再生を行っています。
戸田ヶ原サクラソウ園(戸田ヶ原自然再生エリア第1号地) (湿地再生区域A・B)
2010年2月に、彩湖・道満グリーンパーク内に「戸田ヶ原自然再生エリア第1号地」をつくりました。市民のみなさんとサクラソウ・トダスゲの植栽を行い、四季おりおりに、野生の草花、鳥、虫など自然を楽しむことができる場所になるよう、守り育てる活動を進めています。
2021年に「戸田ヶ原サクラソウ園」と名付けられました。
春の風景
夏の風景
秋の風景
冬の風景
サクラソウ植栽エリア
戸田ヶ原サポーター(市民ボランティア)が月1、2回程度、管理作業を実施しています。
戸田ヶ原サクラソウ園のサクラソウ生育株数は約1万株を超え、かつての「戸田ヶ原」の自然が蘇りつつあり、自然交配に至るなど取組みの成果が出ています。
春に咲くサクラソウの花は見応えがあります。毎年「戸田ヶ原さくらそう祭り」というサクラソウのお花見イベントを開催しています。
低草地エリア
1号地でサクラソウ以外の見所を作るため、以下のような地域本来の野草(在来種)を導入しています。
季節に応じた色とりどりの花が見られるように戸田ヶ原サポーター(市民ボランティア)と保全管理しています。
アクセス
JR埼京線または武蔵野線武蔵浦和駅より「下笹目行」バス乗車、「彩湖・道満グリーンパーク入口」下車徒歩10分、JR埼京線 北戸田駅よりtocoバス美笹循環乗車「道満」下車徒歩8分
「関東水と緑のネットワーク拠点百選」に選定されています!
戸田ヶ原サクラソウ園(戸田ヶ原自然再生エリア第1号地)は、関東地域における、身近な地域にある風景や自然、そして人とのかかわり・つながりを持った水と緑のネットワーク拠点として、「関東水と緑のネットワーク拠点百選」の一つに選ばれています。
これからも、「自然・風景・人」のつながりを大切に、自然再生を進めていきます!
戸田ヶ原野草園 (湿地再生区域C)
2016年11月17日に、彩湖・道満グリーンパーク内に「戸田ヶ原野草園」をつくりました。
当日は、野草に興味を持つ市民の皆さまにご参加いただき、トダスゲ、チョウジソウ、イヌヌマトラノオ、フジバカマ、ハンゲショウ、オグルマ、シロバナサクラタデといった野の草花を植え付けました。今後は、主に植え付けに参加された市民の皆さまに主体になっていただき、管理していく予定です。
ここに植えた野の草花は、過去のサクラソウ植え付けイベントで市民に種子の状態で配布し、市民が自宅で育てて発芽させ、植えられる状態に育ったものも一部植えています。
アクセス
また、ここは彩湖・道満グリーンパーク鑑賞池に隣接するエリアで、最も人が集まる中心的な場所です。戸田ヶ原自然再生の普及啓発の場として、園芸植物とは一味違う「野の草花」についてPRしていきます。
湿地再生区域F
かつての戸田ヶ原がイメージされる「広域に長い目で湿地再生」していくエリアです。2016年2月6日にイオンスタイル北戸田・イオンモール北戸田に協力いただき、サクラソウを植え付け、新たにサクラソウが生育するエリアとなりました。
サクラソウを植え付ける場所を広げていくためには、外来植物駆除などの管理作業が伴います。今後は、管理作業にご協力いただける企業・団体を募り、順次、植え付け場所を拡大していきたいと考えています。
なお、このエリアは自然保全ゾーンに指定されており、通常は立ち入りが禁止されています。(サクラソウの取り組みは、管理主体である国土交通省荒川上流河川事務所から許可を得て、実施しています。)
間近で見ることはできませんが、将来的にピンクのじゅうたんのようにサクラソウが咲き誇る場所を目指していきますので、土手上から暖かく見守ってください。
各湿地再生区域の場所について
湿地再生区域のそれぞれの場所については、戸田ヶ原湿地再生地区位置図 [PDFファイル/1.35MB]をご覧ください。
ミドリシジミが舞う林プロジェクト
ミドリシジミは、埼玉県の蝶で、オスはエメラルドグリーンの綺麗な色をしています。かつて、氾濫原のやや湿った場所には、ハンノキ林が点在し、夏にその周囲には、幼虫がハンノキの葉を食べるミドリシジミが飛翔していました。市内でも過去に確認された記録があります。
ミドリシジミが再び戸田の空を舞うことを目指して、2010年に市内に生育しているハンノキから種を採取し、2011年からは種から育ったハンノキの苗木を市民、高校、幼稚園、企業と共に植え付けています。
2011年から2015年までは、彩湖・道満グリーンパーク内にハンノキを植樹してきました。
2016年からは、複数年かけて、今まで彩湖・道満グリーンパークに植えたハンノキの道筋を、現在ミドリシジミの生息が確認されている秋ヶ瀬公園に近づけていくため、学校法人九里学園 浦和実業学園中学校・高等学校に協力いただき、浦和実業学園彩湖総合グラウンド内にハンノキを植樹していきます。
浦和実業学園中学校・高等学校の生物部の生徒による植樹の様子(2016年12月27日)
人と自然・人と人の交流プロジェクト
戸田ヶ原の自然再生を通して、身近な自然の消失によって失われてきた人と自然との関係の再構築を目指すとともに、自然再生や管理への参加を通じて、核家族化や地域社会の喪失によって失われつつある世代や職業を超えた人と人との交流を再生します。
市民や事業者、教育機関との協働
市民
約90名の戸田ヶ原サポーターとともに戸田ヶ原サクラソウ園(戸田ヶ原自然再生エリア第一号地)の保全管理作業や来訪者へのガイド、イベントの運営にご協力いただいております。
戸田ヶ原サポーターとして参加してみたいという方は公益財団法人戸田市水と緑の公社までご連絡ください。また、活動についての詳細は、戸田ヶ原サポーターのページをご覧ください。
事業者
現在、イオンスタイル北戸田・イオンモール北戸田、生活協同組合コープみらい、公益財団法人戸田市水と緑の公社等から様々な場面でご協力いただいております。それぞれの取組みについては、以下をご覧ください。
その他、企業の社会貢献活動の場としても活用いただいております。お気軽にお問い合わせください。
教育機関
子どもたちへ「戸田ヶ原」や「自然」に対する愛着を育むことを目的として、とだみちゃん出張授業の実施、サクラソウやハンノキの植え付けへの高校生、中学生、小学生、幼稚園児の参加、保育園や幼稚園へのサクラソウの貸出など様々な機会で協力をいただいております。
目標と計画
戸田ヶ原自然再生事業の3つの目標
- 多様な野生の生きものを育む戸田ヶ原を再生する
- 人と自然、人と人の交流を再生する
- 住みたい・住み続けたいまちづくりに活かす
戸田ヶ原の歴史や今後について
戸田ヶ原自然再生事業全体構想 概要版 [PDFファイル/1.26MB]
戸田ヶ原について、戸田ヶ原自然再生の考え方、戸田ヶ原自然再生の内容、戸田ヶ原の利活用、戸田ヶ原自然再生の進め方等について
(注釈)本編をご覧になりたい方はみどり公園課までお問い合わせください。
戸田ヶ原ワークブック [PDFファイル/2.64MB]
戸田ヶ原のあゆみ、戸田ヶ原に咲いていたサクラソウ、戸田ヶ原に住んでいた生きもの等について
戸田ヶ原自然再生事業実施計画2021-2026 [PDFファイル/13.29MB]
戸田ヶ原について、戸田ヶ原自然再生事業の概要、各プロジェクトの取り組み、成果と課題等について