エシカル消費を実践してみよう!
エシカル消費ってなに?
エシカル(Ethical)とは、「倫理的な・道徳的な」という意味で、「エシカル消費」は、日々の買い物の中で、あらゆる人や社会、地域や環境に配慮した商品やサービスを選んで消費することを指します。
例えば、「エコ商品」「フェアトレード商品」「サステナブルファッション」「地産地消」などが挙げられます。
私たち一人ひとりが、世界が抱えるさまざまな課題に気付き、日々の買い物などを通して、その課題の解決のために、自分に何ができるのかを考えてみることが、よりよい未来に向けて行うエシカル消費の第一歩となります。
「人」に配慮したエシカル消費
世界が抱える課題
私たちの身の周りにある食品や製品には、原材料が作られ、加工され、私たちの手元に届くまでにたくさんの人が関わっています。例えば、チョコレートやコットン、バナナなどの原材料の多くを生産する発展途上国には、立場が弱い労働者や子どもが過酷な状況の下で、労働を強いられていたり、一部の人だけが大きな利益を得ていたりする問題が隠れている場合があります。
また日本の障がいのある人たちは、福祉作業所や障がい者施設などで雑貨やお菓子等を作り、販売しています。それらは、まだ広く知られているわけではなく、障がいのある人の就労の場や生産活動の場が不足している現状にあります。
未来のために実践してみよう!
フェアトレード商品を買おう
フェアトレード商品とは、公正な取引のもとで販売されているものを指します。途上国の作物や製品を「適正な価格」で「継続的に取引」することで、立場の弱い途上国の方の生活改善や自立をめざします。
福祉作業所などで作られた商品を買おう
就労支援商品を選ぶことは、病気や障がいなどによって社会生活を営むのが難しくなった人たちが、社会復帰をはかり、収入を得たり、社会に参画したりする機会の創出の支援につながります。
「環境」に配慮したエシカル消費
世界が抱える問題
私たち人間の豊かな消費生活の裏側では、地球温暖化や森林の減少、海洋汚染などが進行しています。
山においては、南アメリカやアフリカなどの途上国で、違法な森林伐採や野生動物の密猟が横行しています。日本では、需要低迷や人手不足により森林整備が行き届いていない状況にあります。
海においては、工場排水や未処理の下水、自然に分解できないプラスチックごみの大量廃棄によって海洋が汚染され、大量の魚が死んでしまったり、生態系のバランスが崩れてしまったりしています。また、管理調整されていない魚介類の乱獲により、水産資源の割合が減少してしまうという問題も起きています。
環境を守るために実践してみよう!
森林保全につながる商品を買おう
森林の環境保全に貢献し、地域社会の利益に繋がり、経済的にも継続可能な形で生産された木材や製品を認証する「FSCマーク(森林管理協議会)」や、古紙を原料に再生利用した製品を認証する「グリーンマーク(古紙再生促進センター)」、植林された木々の密度調整のために間引きされた木材(間伐材)を使用した商品に付いている「かんばりん(全国森林組合連合会)」のマークを参考に商品を選んでみましょう。
海洋保全につながる商品を買おう
漁獲類の乱獲による絶滅を防ぐために、海洋環境や漁獲量などに配慮した漁業による水産物や、環境と社会への影響を最小限に抑えた養殖場で育てられた水産物をサステナブルシーフードといいます。
海のエコラベルといわれる「MSCマーク(海洋管理協議会)」は、海洋環境や海洋資源を守って取られた水産物に付けられています。同様に、「ASCマーク(水産養殖管理協議会)」は、環境や社会への影響を減らす、責任ある養殖方法を実践する養殖場で生産されたものに付けられています。これらのラベルのシールの付いたサステナブルシーフードを選ぶことで、海洋保全を間接的に応援できます。
サステナブルファッションを意識してみよう
サステナブルファッションとは、衣服の生産から流通、廃棄に至るプロセスにおいて、地球環境や人、社会に配慮した取り組みのことです。短期間の流行を追って、洋服を買っては捨てるという消費行動もありますが、素材や生産ルート等に関心を持ち、長く大切に着ることのできる服を選んでみませんか。
その他、買い物する時にマイバッグを持参する、エコ商品を選ぶ、過剰包装の商品を買わない、スーパーの陳列棚の手前から買う(てまえどり)等も環境への配慮につながります。
「地域」に配慮したエシカル消費
世界が抱える問題
インターネットが普及した現代においては、遠方で生産・製造された食材や商品をいつでもどこでも好きなだけ購入できる生活が、当たり前のように浸透しています。しかしその背景には、輸入(長距離輸送)に伴う時間やコスト、環境への負荷がかかるという問題があります。
また、多くの食材を海外からの輸入に頼っている日本においては、国内の農業が衰退し、食料自給率が下がるという問題もあります。
地域を守るために実践してみよう!
地産地消をしよう
「簡単」「便利」に購入できることは魅力的ですが、「地域の振興」もお買物では大事な視点の一つです。自分たちが暮らす地元で生産された食材や食品などを購入する「地産地消」は、新鮮なものが手に入り、同じ地域の生産者にお金が還元され、また食材の輸送距離が減り、環境への負荷が小さくなるなど、メリットがたくさんあります。
伝統工芸品に興味を持ってみよう
日本全国の伝統工芸品は、職人の長年培われた高度な技術によって支えられた逸品です。また、それらの多くは、地域の特色である自然の恵みを上手に生かした「エコ商品」でもあります。各地の伝統を未来につなぐため、積極的に手にとってみましょう。
被災地で作られたものを購入し、被災地を応援しよう
地震や風水害など自然災害にあった地域や風評被害で困っている地域の産品を、ネット通販などで積極的に購入することを応援支援といいます。その場に行かなくても、間接的にその地域の応援をすることができます。
できることから始めてみよう!
私たち一人ひとりの行動の積み重ねが、世界が抱えるさまざまな問題の解決に繋がっていきます。私たちの消費活動が社会を変える力を持っています。一人ひとりが、自分には何ができるのかを考えながら、行動してみましょう。