グリーンカーテンについて
グリーンカーテンとは
ゴーヤやアサガオなど、主につる性植物を、窓の外や壁面に張ったネットなどに這わせて、カーテンのように覆ってつくる、緑の日除けのことです。
戸田市では、夏場の節電・二酸化炭素削減対策の1つとして、普及啓発に取り組んでおり、毎年、市民へのゴーヤ苗の配布や、町会や自治会、公共施設にグリーンカーテンづくりの協力をお願いしています。
また、市民団体や事業者などのメンバーで構成された『戸田市地球温暖化対策地域協議会』では、グリーンカーテンの作り方や効果を紹介する、グリーンカーテン講座を開催しています。
写真紹介
今年度にグリーンカーテン作りにご協力いただいた市民の方が撮影した、グリーンカーテンや育ったゴーヤの写真を紹介します。
いただいた写真
ご感想
・おかげさまでおいしいゴーヤを食べることができました!
・頂いたゴーヤの苗がこんなに大きくなりました〜。もう少しで食べられます。楽しみです。
・おかげさまで綺麗なグリーンカーテンと美味しいゴーヤが育ちました!ありがとうございました☺️
・5月に配布時に頂いたゴーヤ4本を通っている貸し農園に植えました(^^)ビニールハウスを覆って日陰にするつもりでしたが、上の方までネットを張ることが出来ず。それでも、ささやかな野望が半分叶い、元気に育ってくれてます。
グリーンカーテンの効果について
日本では、昔から「簾(すだれ)」や「よしず」で、夏を涼しく過ごす工夫を心がけてきました。
グリーンカーテンも次の3つの効果で冷房を使用しなくても夏を涼しく、過ごしやすくしてくれるため、夏場の省エネルギー対策としてもお勧めです。簾やよしずと併用するとさらに効果的です。
1.窓からの日射しの侵入を防ぐ
十分に葉が茂ったグリーンカーテンは、日射しの熱エネルギーの約80パーセントをカットする遮蔽効果があります。
ちなみに、簾の遮蔽率は50から60パーセント、高性能の遮蔽ガラスでも55パーセント程度のため、いかにグリーンカーテンが優れているかが、わかると思います。
2.葉の蒸散作用で放射熱を抑える
植物は水を吸い上げ、葉から水分を蒸散させます。その時に気化熱を奪うことで葉の温度上昇が抑えられます。グリーンカーテンは日陰をつくるだけでなく、室内への放射熱も抑えてくれます。
3.家のまわりの表面温度を抑える
暑さ対策は直射日光だけではありません。強い日射しを受けて表面温度が高くなった窓付近の地面や壁などからの熱が放出されるのも暑さの原因です。
この放射熱により、室温以上に体感温度が上昇し、さらに暑さを感じることになります。グリーンカーテンで多くの部分を日射しから遮ることで、放射熱の発生と侵入を抑えることができます。
(参考)今年の夏はグリーンカーテンで涼しく過ごそう!(環境省) [PDFファイル/16.94MB]
グリーンカーテンの作り方・育て方について
植物を育てることに慣れていないと、十分に葉が茂ったグリーンカーテンを作るのは、難しいと思います。ここでは、ゴーヤを例に、グリーンカーテンの基本的な作り方・育て方について、一部動画を交えながら紹介します。
動画での解説は、『戸田市地球温暖化対策地域協議会』で会長を務めていただいている、『公益財団法人埼玉県生態系保護協会戸田・蕨支部』の石本さんにご協力いただいています。
(参考)始めよう!グリーンカーテン(ゴーヤ編)(環境省) [PDFファイル/4.59MB]
1.植え付け前の準備
準備するもの
- ゴーヤ苗
- プランター(50センチメートル以上)
- 土(培養土や野菜用土)
- 肥料(化成肥料や有機質の肥料)
- 園芸用ネット(高さ1.8から2メートル、幅1.8から2メートル、網目10センチメートル角)
- 支柱(3本以上)
育てる場所の選定
- なるべく陽の当たる、風通しが良い場所
- 台風が来てもネットが倒れないよう、ネットを固定できる場所
(注意)室外機の前は、避けてください。室外機から出る風で、ゴーヤがダメになってしまいます。
プランターや土の準備
- 土が多く入る、なるべく大きなプランターを使いましょう。65センチメートルのプランターで育てるのは2株が目安です。プランターの大きさは収穫量に比例するため、大きな野菜用プランターをお勧めします。
- 土は、水はけの良い土を好みます。ホームセンターなどで販売されている培養土や野菜用土なら、どれでも大丈夫です。
ネットの設置方法
- 使用する園芸用ネットは網目サイズが10センチメートル角のものがお手入れしやすく、葉が茂ってもある程度風が抜けやすいため、お勧めです。また、縦の長さは、1.8から2メートル程度のものがお勧めです。
- ネットはピンと張ってください。まっすぐにピンと張られているとゴーヤが絡みやすくなります。張り具合は時々チェックしましょう。また、風などで動かないよう支柱やロープでしっかり固定してください。
- ネットは、プランターの外側に張るようにしましょう。プランターの内側に張ると、つるが最初にネットにつかまるまでの距離が長くなってしまいます。
- ネットは、窓だけでなく、窓の周囲の壁や地面にも日陰を作るように設置するのが、夏を涼しく過ごすコツです。
気を付けること
1.8メートル×1.8メートルのネットにグリーンカーテンが生い茂り実が生ると、その総重量は約30から40キログラムにもなります。さらに風が吹いたりするとその分の荷重も掛かってくるため、支柱や留め具の耐荷重に注意してください。
2.植え付け
- 苗のポットの底から根が出てきたら、土ごとプランターに移し替えてください。根を傷つけないように注意しましょう。
- 1つのプランターに複数植えつける場合は、株と株の間隔を30センチメートル以上、空けましょう。
植え付けの方法は、動画でも紹介します。
3.摘心(てきしん)と誘引
- 親づるには雌花が咲きにくいので、本葉が5枚以上になったら親づるの先端を摘み取って(摘心)、子づるを伸ばしましょう。子づるは本葉の脇から伸びてきます。
- 子づるが伸びてきたら、ネットにつるがうまく絡まるように誘引してあげましょう。つるは細くて柔らかいので、丁寧に扇子のように左右に広げるようにネットに結び付けましょう。
- 子づるの本葉が5枚以上になったら、2回目の摘心を行いましょう。摘心のやり方は、親づるのときと同じです。
- 2回目の摘心後に孫づるが伸びてきたら、子づるのときと同じように、扇子のように左右に広げるようにネットに結び付けましょう。
(注意)1回目の摘心は、植え付けた苗がしっかりと根付き、活着してから行いましょう。
摘心のやり方は、動画でも紹介します。
4.水やりと追肥
- 苗が小さいうちは、毎日水をあげる必要はありませんが、大きく成長したら毎日、朝か夕方にプランターの下から水が出てくるまで、たっぷり水をあげてください。
- 全体的に葉色が薄く、つるの伸びが悪くなってきたら肥料不足のサインです。速く効く液体肥料か固形の化成肥料をあげてください。
- 固形の化成肥料は根元から離して、ゆびで凹みをつくって入れ、土を軽くかぶせてください。
5.人工授粉
- マンションやアパートなど、虫が少ない場所で育てる場合は、雄花を取って、人工授粉させると実がつく可能性が高くなるため、チャレンジしてみてください。
- 人工授粉は、午前中の10時頃までに行うと、成功する確率が高くなります。
人工授粉の解説は、動画でも紹介します。
6.よくある質問
質問1:雌花が咲かない。
【回答1】
雌花はもともと数が少なく、生育初期(6月)は咲きにくいです。雌花は短日条件下で咲き始めるため、7月から8月になると数多く咲いてきます。
質問2:実がつかない。または実が小さいままで、大きくならない。
【回答2】
雌花が受粉していないため、実が成長しないことが原因です。雄花を取って、午前中に人工授粉させると確実です。雄花は咲いたらその日の夕方には落ちてしまいますが、雌花の下には小さな実が既に出来ていて、花は萎んでも実は大きくなっていきます。
質問3:苗を植えたが、なかなかつるが伸びてこない。
【回答3】
苗を植え付けた5月はまだ気温もそれほど高くなく、根付いて成長していくには少し時間がかかります。そこで、根元をマルチングして覆ってやると地温が上がり、早く根付きます。ゴーヤはあまり気温が上がらない6月まではゆっくり成長しますが、気温が上昇する梅雨の頃からぐんぐん育つようになります。
質問4:追肥したら、水をやっても葉っぱが全体的に萎れたままで元気にならない。
【回答4】
肥料焼けが原因と思われます。肥料を与えすぎると濃い肥料成分のために根が傷み、水を吸い上げることができなくなります。この場合は、与えた肥料を取り除いたあと、多量の水で余分な肥料分を洗い流します。肥料は株が元気になってから少しずつ与えるようにしてください。
質問5:実が十分大きくならないうちに黄色くなってしまう。
【回答5】
8月に入って1日の最高気温が摂氏35度を超える猛暑日が続くようになると、暑さで株が弱るためと思われます。黄変したものは摘み取ってください。9月になって朝夕涼しくなるとまた元気になり、たくさん実が付くようになります。