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戸田市男女共同参画推進条例

掲載日:2019年11月25日更新

戸田市男女共同参画推進条例

 本市の男女共同参画の推進に関する基本理念等を定めるため、「戸田市男女共同参画推進条例」を制定しました。

 条例の制定には、2015年(平成27年)に条例の内容検討のための市民会議を設置、全12回の会議で検討を重ね、2016年(平成28年)10月1日に施行されました。

 【この条例の主な特徴】

 条例の趣旨を多くの人に知っていただきたいとの思いから、読みやすくやさしい表現にすることに留意し、文体を「ですます調」で表記しました。

 性自認、性同一性などで悩みを抱えている人もすべて含めた条例にしたいとの思いから、本文におきましては、「男女」の表現を控えました。

2016年(平成28年)10月1日に「戸田市男女共同参画推進条例」が施行されました 

戸田市男女共同参画推進条例 [PDFファイル/131KB]

「戸田市男女共同参画推進条例」啓発パンフレット

「戸田市男女共同参画推進条例」の内容を分かりやすく伝えるために、子どもから大人までを対象にした、条例啓発パンフレットを作成しました。

詳しくは、「戸田市男女共同参画推進条例啓発パンフレット」のページへ

「戸田市男女共同参画推進条例」の全文

戸田市男女共同参画推進条例

目次

前文

第1章 総則(第1条~第7条)

第2章 基本的施策(第8条~第14条)

第3章 戸田市男女共同参画推進委員会等(第15条~第21条)

第4章 雑則(第22条)

附則

 戸田市は、豊かな自然に恵まれ、交通の利便性が高いことから、若い世代も多く、子育て支援や教育の取組を積極的に進めてきた背景があります。一方、転出入が激しいゆえに地域のコミュニティが活性化しにくいという面も有しています。男女共同参画の推進に当たっては、戸田市の基本となる計画を平成元年に初めて策定し、現在も「戸田市男女共同参画計画~とだ あんさんぶるプラン~」に基づいて様々な施策に取り組んでいます。

 「日本国憲法」は、個人の尊重と法の下の平等を保障しています。国においては、国際連合で採択された「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」を受けて、「男女共同参画社会基本法」や「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」を制定するなど、男女平等の実現に向けた取組が着実に進められています。

 しかしながら、性別による固定的な役割分担の意識やそうした意識に基づいた社会的な慣行は、依然として残っていると言わざるを得ません。近年では、配偶者等への暴力やセクシュアル・ハラスメントなどの人権を侵害する行為が社会問題となっていることや、子の養育や家族の介護といった家庭生活と職場や地域などでの社会活動を両立させることといった新たな課題もあり、更なる継続的な取組が必要です。

 そのため、誰もがそれぞれの違いや多様な生き方を尊重し、個性と能力を十分に発揮できる社会を実現することで、豊かでいきいきと暮らせるまちとなり、これを次世代につなげていくことが重要です。

 よって、戸田市は、男女共同参画社会の実現に向け、この条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、男女共同参画の推進について、基本理念を定め、戸田市(以下「市」といいます。)、市民や事業者の責務を明らかにするとともに、市の施策の基本となる事項を定めることにより、男女共同参画に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図り、もって男女共同参画社会を実現することを目的とします。

(用語の定義)

第2条 この条例における用語の意味は、次に定めるとおりとします。

(1) 男女共同参画 誰もが、性別、性的指向、性自認に関わりなく個人として尊重され、その個性と能力を発揮し、責任を担い、対等な立場で社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保されることをいいます。

(2) 市民 市内に居住、通勤、通学する者をいいます。

(3) 事業者 市内において事業活動を行う法人その他の団体や個人をいいます。

(4) 配偶者等への暴力 配偶者、交際相手その他の親密な関係にある者やあった者への身体的、精神的、性的、経済的、社会的な暴力や子どもを利用した暴力をいいます。

(5) セクシュアル・ハラスメント 他の者を不快、不安にさせる性的な言動により、その者や周囲の生活環境を害すること、性的な言動に対する相手方の対応により、その者に不利益を与えることをいいます。

(6) 積極的改善措置 性別、性的指向、性自認による格差を是正するため必要な範囲内において、社会のあらゆる分野における活動に参画する機会を積極的に確保することをいいます。

(基本理念)

第3条 市は、次に掲げる事項を基本として、男女共同参画を推進します。

(1) 性別、性的指向、性自認による差別的な取扱いや暴力を根絶し、誰もが、個人として尊重されること。

(2) 誰もが、性別による固定的な役割分担の意識にとらわれることなく、その個性と能力を十分に発揮し、自らの意思と責任により多様な生き方を選択できること。

(3) 誰もが、性別、性的指向、性自認に関わりなく、社会のあらゆる分野における活動の方針の立案や決定に参画する機会が確保されること。

(4) 学校教育、生涯学習その他のあらゆる教育の場において、男女共同参画社会を支える意識の形成に向けた取組が行われること。

(5) 家族を構成する者が、相互の協力と社会の支援の下に、子の養育、家族の介護その他の家庭生活と職場や地域における活動の調和のとれた生活を営むことができること。

(6) 誰もが、性に関する理解を深め、妊娠、出産その他の性と生殖に関する健康と権利が生涯にわたり尊重されること。

(7) 国際社会や国内における男女共同参画に関する取組を積極的に理解すること。

(市の責務)

第4条 市は、前条に規定する基本理念に基づき、男女共同参画を推進する施策を総合的かつ計画的に実施するために必要な体制を整備するとともに、財政上その他の必要な措置を講じます。

2 市は、男女共同参画を推進するに当たり、市民、事業者、国、他の地方公共団体と連携します。

(市民の責務)

第5条 市民は、男女共同参画について理解を深め、家庭、学校、職場、地域その他の社会のあらゆる分野における活動において男女共同参画を推進するよう努めます。

2 市民は、市が実施する男女共同参画を推進する施策に協力するよう努めます。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、男女共同参画について理解を深め、その事業活動において男女共同参画を推進し、誰もが、家庭生活と職場や地域における活動の調和のとれた生活を営むことができるよう努めます。

2 事業者は、市が実施する男女共同参画を推進する施策に協力するよう努めます。

(禁止事項)

第7条 誰もが、配偶者等への暴力、セクシュアル・ハラスメント、性別、性的指向、性自認による差別的な取扱いその他の性に関する人権侵害を行ってはいけません。

2 誰もが、情報の発信に当たっては、前項の性に関する人権侵害、性別による固定的な役割分担の意識を助長し、是認させる表現を用いないよう配慮しなければいけません。

第2章 基本的施策

(男女共同参画計画の策定)

第8条 市は、男女共同参画に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための基本的な計画(以下「男女共同参画計画」といいます。)を策定し、これを公表します。

2 市は、男女共同参画計画の策定に当たっては、あらかじめ第15条第1項に規定する戸田市男女共同参画推進委員会の意見を聴きます。

3 市は、毎年1回、男女共同参画計画に基づく男女共同参画に関する施策の実施状況を公表します。

(調査研究と広報や啓発)

第9条 市は、男女共同参画の推進に必要な調査研究、情報の収集に努めます。

2 市は、市民や事業者が男女共同参画についての理解を深めるよう、広報や啓発を行います。

(教育に対する支援)

第10条 市は、男女共同参画社会を支える意識の形成に向けた取組が行われるよう、学校教育、生涯学習その他のあらゆる教育に携わる者を支援します。

(家庭生活と社会活動の調和)

第11条 市は、市民が子の養育、家族の介護その他の家庭生活と職場や地域における活動の調和のとれた生活を営みながら、多様な生き方を選択し、実現できるよう努めます。

(災害等への対応における配慮)

第12条 市は、災害等への対応(災害等の発生に備える対策を含みます。)においては、性別による視点に十分配慮するよう努めます。

(積極的改善措置)

第13条 市は、性別による固定的な役割分担の意識があると認めるときや性別、性的指向、性自認により参画する機会に不均衡が生じると認めるときは、積極的改善措置を講ずるよう努めます。

(拠点の整備)

第14条 市は、市民や事業者による男女共同参画の推進に関する取組を支援するための拠点の整備に努めます。

第3章 戸田市男女共同参画推進委員会等

(推進委員会)

第15条 男女共同参画の推進について調査、審議をするため、戸田市男女共同参画推進委員会(以下「推進委員会」といいます。)を置きます。

2 推進委員会は、次に掲げる事項について調査、審議をします。

(1) 男女共同参画の推進に関すること。

(2) 男女共同参画計画に関すること。

(3) その他男女共同参画の推進について必要な事項

3 推進委員会は、男女共同参画の推進に必要があると認める事項について市長に意見を述べることができます。

(組織)

第16条 推進委員会は、委員15人以内をもって組織します。

2 委員は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱、任命をします。

(1) 市民

(2) 学識経験者

(3) 組織、団体等の推薦者

(4) 市職員

(5) その他市長が必要と認める者

3 委員の選任に当たっては、委員の性別の比率が、男女共同参画計画に基づく比率となるよう努めます。

(任期)

第17条 委員の任期は、2年とします。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とします。

2 委員は、再任されることができます。

(委員長と副委員長)

第18条 推進委員会に委員長と副委員長を置きます。

2 委員長と副委員長は、委員の互選により決定します。

3 委員長は、会務を総理し、推進委員会を代表します。

4 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故があるときや委員長が欠けたときは、その職務を代理します。

(会議)

第19条 推進委員会の会議(以下「会議」といいます。)は、委員長が招集し、その議長となります。

2 会議は、委員の半数以上の出席がなければ開くことができません。

3 会議の議事は、出席委員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによります。

4 委員長は、必要があると認めるときは、委員以外の者に対し会議への出席を求めること、意見を聴くこと、資料の提出を求めることができます。

(庶務)

第20条 推進委員会の庶務は、市民生活部協働推進課において処理します。

(苦情申立て)

第21条 市民や事業者は、市長に対し、市が関与する男女共同参画に関する施策について苦情を申し立てることができます。

2 市長は、前項の規定による苦情の申立てがあったときは、必要に応じ推進委員会の意見を聴いて、処理します。

3 市長は、第1項に規定する苦情の処理に当たっては、当該苦情を申し立てた者に関する情報を保護するとともに、公平かつ適切に行います。

第4章 雑則

(委任)

第22条 この条例の施行について必要な事項は、市長が別に定めます。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、平成28年10月1日から施行します。

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