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情報公開審査会答申第1号

掲載日:2014年9月1日更新

諮問第1号

答申

1 審査会の結論

 1999年(平成11年)9月29日、戸田市議会議長 山崎 卓美が異議申立人に対して行った1998年度(1998年度(平成10年度))の会派調査研究費の使用内容(用途)について右補助金等確定通知書以外の文書(具体的には、調査研究費決算書及び調査研究費支出状況報告書。以下これらを「本件文書」という。)の非公開決定は、不当であり、取り消されるべきものであって、審査会としては、本件文書を公開すべきと思料する。

2 異議申立ての趣旨及び経過

(1) 異議申立ての趣旨

 本件異議申立ての趣旨は、1999年(平成11年)11月10日、戸田市議会議長 山崎 卓美が異議申立人に対して行った1998年度(1998年度(平成10年度))の会派調査研究費の使用内容(用途)について右補助金等確定通知書以外の一切の文書の非公開決定の取消しを求めるというものである。

(2) 異議申立ての経過

ア 1999年(平成11年)9月21日、異議申立人は、戸田市議会議長に対し、戸田市情報公開条例(以下「条例」という。)第6条の規定により、請求対象を本件文書とする趣旨の「会派調査研究費の使用内容(用途)について1998年度(1998年度(平成10年度))分」の公開請求を行った。

イ 1999年(平成11年)9月29日、戸田市議会議長 山崎 卓美は、上記の請求に対し、会派調査研究費の使用内容(使途)を公開することは憲法第21条に定める政治活動の自由の保障が侵害される恐れがあるとの理由により、条例第8条1項6号に該当するとして、条例第10条1項に基づき、本件文書を非公開とし、補助金等確定通知書のみを公開するという部分公開決定を行い、1999年(平成11年)10月1日、異議申立人に通知した。

ウ 1999年(平成11年)10月19日午前9時、異議申立人は、戸田市庁舎3階情報公開コーナーにおいて、戸田市職員立会いの上、部分公開の対象となった1998年度(平成10年度)補助金等確定通知書の閲覧を行った。

エ 1999年(平成11年)11月10日、異議申立人は、本件文書の非公開決定について、これを不服として条例第16条に基づいて戸田市議会議長に異議申立てを行った。

3 異議申立人及び戸田市議会議長の主張の要旨

(1) 異議申立人の主張の要旨

 異議申立人の異議申立書及び意見陳述による主張の要旨は、次のとおりである。

(1) 憲法第21条に使用されていない「政治活動の自由」という文言を根拠として、非公開としている。

(2) 会派調査研究費は、政治活動助成のため支給されるものではなく、厳然たる公費であり、その使途は、詳細に公開されるべきである。

(3) 会派調査研究費は、議員一人あたり年間金48万円支給されることになっており、当該金額は、議員の一ケ月の歳費に匹敵する額である。これが、市議会議員28名に支給されると、年間合計金1344万円に上り、市立学校一校分の年間予算より多くなっていると考えられるので、それだけその使途を市民に公開する必要性は高いと考える。

(4) 戸田市の情報公開条例は、条例第1条(目的)の項において、市民の「知る権利」を明示し、また、条例第5条(公開請求)の項においては、請求権者につき「何人も」と定め限定がないなど、他自治体にはあまり例のないほど、情報公開について積極的な姿勢を示している。以上のような条例の趣旨からは、条例第8条各号に定める非公開事由の解釈は厳しくなされるべきである。

(2) 戸田市議会議長の主張の要旨

 戸田市議会議長の情報部分公開決定通知書、情報公開等決定不服申立事案諮問書及び意見陳述による主張の要旨は、次のとおりである。

ア 各会派調査研究費支給の趣旨について

 各政党等の会派に議員一人あたり月4万円、総合計1344万円が年間支出されているのは事実である。この支出は、地方自治法第232条の2「地方公共団体は、公益上必要がある場合寄附又は補助することができる。」とする補助金の規定と「戸田市議会会派に対する調査研究費交付要綱(1992年(平成4年)1月9日市長決裁)」に基づいて、支給されており、その支出は適法である。

 そして、各会派調査研究費は、各政党等における政治思想を実現するための活動を行ううえで、調査活動や政策提起の能力を高めるなど議会活動をするための経費的役割として不可欠となっており、必要性、合理性がある。なお、議員個人が資料集めなど調査研究活動を行うことは、非能率的であり、議会運営も会派を基礎として、議員活動を行っているとの判断から各会派ごとに調査研究費を支給しているものである。

イ 本件文書を非公開とした理由について

(1) 条例第8条第1項第6号に該当する。

 憲法21条では文言上、集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由が保障されているが、当該条文の保障は、政党の設立及び政治活動の事由にも及んでいるはずである。

 そして、本件文書を公開することは、本来自由であるべき性格のものである会派の調査研究活動が調査研究費の使途、多寡のみで政治活動の是非、優劣が評価され、市民に予断や誤解を抱かせることになり、結果として議員の政治活動の制約ともなる。

 それゆえに、本件文書を公開することは、憲法21条の保障する政治活動の自由を侵害するおそれがあるので、条例第8条第1項第6号に該当する。

(2) 条例第8条第1項第2号に該当する。

 また、上記(1)と同様の理由により、本件文書は、法人その他の団体に含まれる各会派に関する情報であって、公開することにより、各会派の政治活動に著しい不利益を与え、又は社会的な信用が損なわれると明らかに認められるものであるので、条例第8条第1項第2号に該当する。

(3) 条例第8条第1項第4号に該当する。

 本件文書は、「戸田市議会会派に対する調査研究費交付要綱」にそって、その作成及び市長への提出を各会派担当者に義務づけたものであり、市長は、自主的に提出されたものとしてこれを保管しているにすぎない。

 また、議会が執行機関から独立して活動する議決機関であること、さらに、この要綱が制定された経緯からしても、議会活動に係る情報の公開の是非、範囲、方法等については、議会において自主的に判断されるべきものである。

 したがって、議会の独立性、自律性を無視して市長が本件文書を一方的に公開することは、当該情報を本来保有する議会との信頼関係を著しく損なうおそれがあり、結果として、法人たる戸田市の運営に支障が生ずるおそれがある。

 以上から、本件文書は、戸田市議会(実施機関。条例第2条参照)と戸田市(実施機関)との間における審議、協議、調査、研究等に関する文書に該当し、かつ本件文書を公開することにより、公正又は適正な意思決定に著しい支障が生ずると明らかに認められるものであって、第8条第1項第4号に該当する。

4 審査会の判断

 審査会は、異議申立人の判断及び戸田市議会議長の主張を検討した結果、以下の理由により、「1 審査会の結論」欄記載のとおりの結論に達した。

(1) 基本的な考え

 戸田市の情報公開条例は、条例第1条(目的)の項において、「市民の知る権利を保障することにより、市政の公開性の向上と公正の確保を図るとともに、市の行政活動を市民に説明する責務を全うし」と定め、市民の「知る権利」と市の説明責任を明示していること、条例第5条(公開請求)の項においては、請求権者につき「何人も」と定め限定がないこと、さらには、条例第8条第1項各号の「非公開事由」の定めを見ると、同条第1項第1号の個人に関する情報を除いては、すべて公開により支障が生ずることが「明らかに認められる」という文言があり非公開事由を限定していることに加え、条例第9条が、第8条第1項各号の非公開事由の該当があるとしても裁量的公開をなしうることまで定めていることなどから、情報公開に関しては、他地方公共団体の制定例よりも積極的な姿勢を示していることは明らかである。

 以上のような条例の趣旨からは、条例第8条第1項各号に定める非公開事由の有無についての解釈は限定的かつ厳格になされるべきであるとするのが相当である。

 したがって、当審査会としては、前述のような条例の趣旨を考慮の上、戸田市議会議長の主張する条例第8条第1項各号の非公開事由について厳正に判断することとする。

(2) 各会派調査研究費支給の性格

 異議申立人は、「会派調査研究費の支給は、政治活動助成のためではないから、政治活動には使用できない。」と主張し、これに対し、戸田市議会議長は、各会派調査研究費の支給が、議員の政治活動の自由の保障に資することを当然の前提として、非公開事由の解釈について論旨を展開するので、まず、各会派調査研究費支給の性格について判断する。

 各会派調査研究費の支給に関しては地方自治法第2232条の2の「地方公共団体は、公益上必要がある場合寄附又は補助することができる。」旨の規定とこれを受けた「戸田市補助金等交付規則」があり、さらにこの規則を受けた「戸田市議会会派に対する調査研究費交付要綱(1992年(平成4年)1月9日市長決裁)」が根拠となる。この各会派調査研究費が支給される趣旨は、(1)近年地方公共団体における行政需要は増大し、また、地域住民の要求も多種多様にわたっているため、議会の構成員である議員がその議会活動を十分に行うためには地方行政に対する不断の調査活動が期待されていること、(2)議員が市政に関する調査研究を行うことは、単に議員の議会活動が円滑かつ能率的に行われるにとどまらず、議員が地域住民の直接選挙によって選出され、その代表として、住民の意志を条例の制定、予算の決定等を通じて市政に反映させるよう活動していることに照らすならば、その利益は、ひとり議員のみに帰するものではなく、こうした議員活動を通して究極的には住民一般にも及ぶとの判断のもとに、議員の市政に関する調査研究の推進を図るために、議員によって結成された各会派ごとに調査研究費を補助金として支給していること、にあるのであって、その必要性、合理性が存在することは明らかである。

(3) 条例第8条第1項第6号の該当性

 戸田市議会議長は、議員の調査研究活動は、憲法21条の保障する政治活動の自由に含まれることを前提にして、本件文書を公開することは、本来自由であるべき性格のものである会派の調査研究活動が調査研究費の使途、多寡のみで政治活動の是非、優劣が評価され、市民に予断や誤解を抱かせることになり、結果として議員の政治活動の制約ともなるとして、本件文書を公開することは、憲法21条に反し、条例第8条第1項第6号に該当すると主張するので、この点について判断する。

 条例第8条第1項第6号の趣旨は、法令又は他の条例の規定により明らかに公開を禁じられている情報は、改めて公開・非公開の判断をする余地はなく、公開することは許されないと解され、いわゆる「法令秘情報」を非公開事由とする。

 これによると、戸田市議会議長の主張は、憲法21条が、本件文書を公開することは、議員の政治活動の自由を侵害するので公開を明らかに禁じていることを前提としなくてはならないが、そのようなことを憲法21条に読み込むことは不可能である。

  また、戸田市議会議長の主張のように、本件公文書を公開することにより、議員の調査研究活動に事実上の制約が生じ、ひいては政治活動の自由を侵害するおそれがあることは、その事実上の可能性自体は否定しえないとしても、かかる事情から、直ちに、憲法21条が、本件公文書の公開を禁じていることまで意味することにならないのは当然のことであって、この論旨は、条例第8条第1項第6号の該当性とは関係がない。

 したがって、戸田市議会議長の主張には理由がなく、条例第8条第1項第6号の該当性は否定すべきである。

(4) 条例第8条第1項第2号の該当性

 次に、戸田市議会議長は、本件文書が公開されることにより、本来自由であるべき性格のものである会派の調査研究活動が調査研究費の使途、多寡のみで政治活動の是非、優劣が評価され、市民に予断や誤解を抱かせることになり、各会派の政治活動に著しい不利益を与え、又は社会的な信用が損なわれると明らかに認められるものであるので、条例第8条第1項第2号に該当すると主張するので、この点につき判断する。

 条例第8条第1項第2号の趣旨は、法人その他の団体又は事業を営む個人については、社会の構成員としての自由な事業活動が認められていることから、その自由を原則として保障しようとするものである。そして、本号で非公開とされるべきと認められるものは、法人その他の団体に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公開することにより、当該法人その他の団体又は事業を営む個人の競争上又は事業運営上の地位、その他社会的信用を明らかに害すると認められる情報と解されており、典型的には、(1)生産技術又は営業・販売上のノウハウに関する情報、(2)人事、経理等内部管理情報などが挙げられる。

 そこで、本件文書に含まれる各会派調査研究費の使途等に関する情報が、かかる意味での情報に該当し、各会派の政治活動に著しい支障を生ずることが明らかかどうか以下検討する。

 本件文書は、各会派の各1998年度(平成10年度)の上半期、下半期の「調査研究費決算書」及びこれに対する「調査研究費支出状況報告書」により構成されるが、決算書に記載された「収入の部」記載欄の事項は、本件申立により一部公開され、公知のものとなっており、非公開事由の有無とは関係がないが、「調査研究費決算書」の「支出の部」記載欄の事項及びこれに対する「調査研究費支出状況報告書」の「月日」「支出事項」「金額」の各記載欄に記入されている事項は、戸田市議会議長が主張するとおり、これらの項目を記載した本件文書により、会派の調査研究費の使途、多寡が判明することは明らかである。

 問題は、本件文書が公開されることにより各会派の事業運営上の地位又は社会的信用を明らかに害すると認められる情報と解しうるか否かであるが、本件文書から判明することは、会派の調査研究活動のために支出された経費が月日ごとに総括的に記載されているものにとどまり、個別の支出が詳細に記載されているものではない。各会派調査研究費についてのこの程度の使途明細、金額明示では、各会派調査研究活動の個別的、具体的内容を推測させる程度のものとは言えない以上、戸田市議会議長の主張するように、本件文書の公開により、各会派の政治活動の是非、優劣が評価され、市民に予断や誤解を抱かせることになり、各会派の政治活動に著しい不利益を与え、又は社会的な信用が損なわれると明らかに認められるとまでは到底言えない。

 なお、各会派において項目ごとの支出割合が異なることは事実であるが、これらは各会派が、それぞれの判断に基づいて調査研究費のあり方を個別的に決定するものであることの結果として当然生じることである。さらに各会派の個別の調査研究活動の結果は、各会派の市議会その他における活動に反映されものであり、一般市民が広く知りうる内容であることからすれば、かかる情報を公開することが、会派という団体の事業運営上の地位又は社会的信用を明らかに害するという積極的理由にはならない。

 したがって、戸田市議会議長の主張には理由がなく、条例第8条第1項第2号の該当性は否定すべきである。

(5) 条例第8条第1項第4号の該当性

 次に、戸田市議会議長は、議会の独立性、自律性を無視して市長が本件文書を一方的に公開することは、当該情報を本来保有する議会との信頼関係を著しく損なうおそれがあり、結果として、法人たる戸田市の運営に支障が生ずるおそれがあり、条例第8条第1項第4号に該当するとの趣旨の主張するので、この点について判断する。

 条例第8条第1項第4号の趣旨は、実施機関内部若しくは相互又は実施機関と国等との間における審議、協議、調査、研究又は検討に関する情報であって、実施機関の公正又は適正な意思決定に著しい支障を及ぼすおそれがある情報を非公開としたものである。この具体的な意味は、実施機関の意思決定の中立性確保に対する支障が看過しえない程度のものである場合には、検討途中の段階の情報を公開することの公益性を考慮してもなお、非公開とするものというべきである。

 他方、戸田市議会議長の主張を検討するに、右主張の骨子は、(1)本件文書を本来的に保有するのは、戸田市議会であり、そもそも議会は執行機関から独立して活動する議決機関であること、さらに、本件要綱が制定された経緯からも、議会活動に係る情報の公開の是非、範囲、方法等については、議会において自主的に判断されるべきものである。(2)かかる議会の独立性、自律性を無視して市長が本件文書を一方的に公開することは、当該情報を本来保有する議会との信頼関係を著しく損なうおそれがあり、結果として、法人たる戸田市の運営に支障が生ずるおそれがあって、適正な意思決定にも影響があるという二点から、つまるところ、議会の自律性及び市長の相互の協力関係、信頼関係の維持の重要性を強調するものである。

 たしかに、市長と議会は執行機関と議決機関として相互に独立し、尊重しあう関係にあり、かつ相互の協力関係、信頼関係を形成することにより、円滑な市政の運営が確保されるのであって、そのこと自体に関して異論がない。

 しかし、前述のとおり、本号の趣旨は、検討途中の段階の情報を公開することにより、実施機関の意思決定の中立性確保に対する支障が看過しえない場合を非公開事由としたものであり、議会の自律性確保や議会と市長との協働関係の維持を旨として非公開事由としたものではない。

 また、本号の趣旨を拡大解釈し、戸田市議会議長の主張の趣旨とすることまで非公開事由とするのは、審査会の前述した「基本的な考え方」の項で述べたとおり本条例全体の趣旨に反するものである。

 したがって、戸田市議会議長の主張には理由がなく、条例第8条第1項第4号の該当性は否定すべきである。

(6) 条例第8条第1項第5号の該当性

 なお、戸田市議会議長の主張には、条例第8条第1項第5号の該当性について主張はないが、条例第8条第1項第2号及び第4号の該当性に関する主張に依れば、条例第8条第1項第5号の該当性についても問題になるので、以下当審査会の職権により判断する。

 本号は、実施機関の事務又は事業の適正な執行を確保するため、公開することにより、当該事務又は事業の適正な執行に著しい支障を及ぼすおそれのある情報を非公開情報としたものである。

 具体的には、(1)公開することにより、当該事務事業を実施する目的が失われるおそれがあるもの(実施前の試験問題・採点基準、入札予定価格等)や(2)公開することにより、反復・継続する同種の事務事業の公正かつ適正な執行を著しく困難にするおそれがあると認められる情報(行政処分等の内部基準、損害賠償・損失補償の内部基準等)を非公開情報とするものである。

 本件文書は、議会の調査研究に関するものであり、本号に列挙されている事務又は事業は実施機関(戸田市議会)が行う事務事業を限定的に列挙したものではなく、その代表的な事務事業を例示したものであると解されるから、議会の調査研究も同号の「事務又は事業に関する情報」に該当する。

 そこで、次に、本件文書が「公開することにより、当該事務若しくは事業の目的が損なわれ、又はその公正若しくは適正な執行に著しい支障を生ずると明らかに認められるもの」かどうか判断する。

 この点については、前記条例第8条第1項第4号に関する戸田市議会議長の主張が本号の非公開事由にも該当するのではないかとの点が問題となる。しかし、本号の趣旨は、前述のとおり、議会の自律性確保や議会と市長との協働関係を維持を旨として非公開事由としたものではなく、かつ、本号の趣旨を拡大解釈し戸田市議会議長のかかる主張を非公開事由とすることができないのも、審査会の前述した「基本的な考え方」の項で述べたとおり本条例全体の趣旨に反するので、本号の該当性は否定すべきである。

 さらに、前記条例第8条第1項第2号に関する戸田市議会議長の主張についても本号の該当性が問題になる。しかし、各会派において調査研究費の項目ごとの支出割合が異なることのみでは、議員市政に関する円滑かつ能率的な調査研究活動という事務又は事業の適正な執行に著しい支障を生ずると明らかに認められることにならないのは、前述のとおりであって(「4 審査会の判断(4)」参照)、本号の該当性は否定すべきである。

 したがって、戸田市議会議長の主張のいずれも、条例第8条第1項第5号に該当しない。

 以上のとおり、本件文書について非公開とする理由は存在しないから、戸田市議会議長が本件文書を非公開とした決定は不当である。よって、「1 審査会の結論」のとおり判断する。

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