めるまが82(2018年2月13日配信)
~今月の目次~
(1)政策形成アドバイザーの徒然
(2)戸田市政策研究所の活動紹介
(3)戸田のここに注目!
(4)戸田ゼミの取り組み
(1)政策形成アドバイザーの徒然
結果的住民と積極的住民
最近は、様々な人口(住民)の概念が登場しています。例えば、協働人口があります。国土交通省の「新たな「国土のグランドデザイン」」に登場した言葉です。端的に言うと、自治体や地域の様々な主体と一緒に地域づくりをする人口です。「その自治体のファン」と捉えてもよいでしょう。協働人口は、その地域に居住しているかどうかは問いません。
協働人口に類似した概念として、最近は「関係人口」と言う言葉もはやりつつあります。総務省の「これからの移住・交流施策のあり方に関する検討会中間とりまとめ」によると、関係人口とは「長期的な「定住人口」や短期的な「交流人口」でもない、地域や地域の人々と多様に関わる者」と定義しています。これからの時代、関係人口は重要なキーワードです。
さらには、以前から現場では「応援人口」という表現もありました。応援人口とは「その地域や自治体を応援したい人口」です。関係人口も応援人口も、協働人口に類似した考えです。これらの人口(住民)に加え、私は結果的住民と積極的住民の概念を提起しています。シティプロモーションは、いかに結果的住民から積極的住民にするかがポイントになります。
結果的住民とは「その自治体に「住もう」と決めたのではなく(決めているのではなく)、たまたま結果的にその自治体に住んでいる(住んだ)住民」のことです。積極的住民とは「その自治体に「住みたい」や「住み続けたい」と決めており、意識的にその自治体に移ってくる住民(住み続けている住民)」です。最近の戸田市は明らかに積極的住民が増えています。
結果的住民は、ちょっとした理由で転出していきます。自治体内の様々な協働活動には熱心ではありません。ところが、政策展開を進めていけば、すぐにとはいきませんが、ある程度の年数をかけると積極的住民が増えていきます。積極的住民は、自らその自治体(地域)を創り上げていくという意向もあり、様々な協働活動に参画する傾向がままあります。今後は、結果的住民と積極的住民は、重要なキーワードになると思います。
(政策形成アドバイザー 牧瀬 稔)
(2)戸田市政策研究所の活動紹介
「戸田市政策研究所シンポジウム」のご案内
戸田市政策研究所は、人口争奪戦とも言える都市間競争の時代を勝ち抜くために、市全体の政策形成力の向上を目指して2008年4月に設置された自治体内部型シンクタンクです。本年度は、設置から10年の節目の年であり、改めて政策づくりのノウハウや必要性を学び、今後の政策づくりに活かせるようなシンポジウムの開催に向け、現在準備を進めています。シンポジウムの概要については、以下のとおりです。
日程:2018年3月5日(月曜)午後2時~午後4時30分
場所:戸田市文化会館3階 会議室304
講師:(1)早稲田大学社会科学総合学術院 教授 卯月盛夫氏(2)関東学院大学法学部地域創生学科 准教授 牧瀬稔氏
今回のシンポジウムでは、現在政策研究所と関わりのある上記二人の先生による講演を行います。(1)住民との協働によるまちづくり事例(2)政策づくりのポイントを主なテーマとし、それぞれ講演いただく予定です。そのため、本市の職員だけでなく皆様にとっても参考となる内容となっています。
詳細なプログラムについては、政策研究所ホームページにて近日中に公開する予定ですが、既に参加の意向がある方は、所属先・氏名(ふりがな)・連絡先を明記の上、電子メールにて政策研究所宛にご連絡ください。
(主任研究員 長谷川 昌之)
(3)戸田のここに注目!
全国初!自治体として初めて災害時統一SSID「00000JAPAN」の提供事業者に認定されました!
「00000JAPAN」(ファイブゼロジャパン)という言葉、耳(見)慣れないという人もいるかと思います。これは、災害時において、契約している通信事業者に限らず、各法人や団体などが構築・提供する公衆無線LANを、誰でも利用することができる災害用の統一ネットワークとして無料で開放するものです。利用者は、SSIDと呼ばれる、無線LANを接続する際に指定するネットワーク名に、「00000JAPAN」を選択すれば、パスワードなしでインターネットに接続することができます。
戸田市ではこの度、公衆無線 LAN の業界団体である無線 LAN ビジネス推進連絡会から、自治体では初めて提供事業者として認定され、昨年12月25日、会長から市長に認定証が授与されました。
公共施設に設置している無線LANからつながる、戸田市が提供する新しい「安心」の形。今後も市民の皆様の安心・安全のために取り組みを進めていきます。
(政策秘書室 生出 豊)
(4)戸田ゼミの取り組み
第7回(1月18日)の報告
前回の戸田ゼミでは、戸田市のおしゃれづくりのために必要なプロモーション手法等を、牧瀬先生(政策形成アドバイザー)からご講義いただきました。
先生によると、シティプロモーション(以下、CP)とは「都市・地域の売り込み」なのですが、このCPを成功させるためには【売り出す商品】と【それを売り出すターゲット】の2つをうまくマッチングさせる必要があるとのこと。どんなに魅力的な商品でも、売り出すターゲットを間違うと成功には結びつかないのだといいます。講義の最後には先生から、「戸田市は【何を】【誰に】売り出していけばよいでしょうか」という質問が出され、ゼミ参加者で熱く議論を交わしました。
今回私が感じたことは、売り出す主力商品は他の自治体と「差別化」を図れるものがよい、ということです。例えば【東京に近い市】であることを売り出しても、そんな市は他にもたくさんあります。そうした意味では議論の中で出た、都市に近い自然豊かな【彩湖・道満グリーンパーク】は戸田市ならではの商品であり、若者や子どものいる家庭をターゲットに売り出してみるという案はとても面白いのではないかと感じました。
第8回(2月20日)の案内
今年度最後の戸田ゼミでは、株式会社読売広告社の「まちひとみらい研究センター」が実施している先進的な取組や他自治体とのプロモーション事例について講演をいただくことで、戸田市の地域資源である水辺の空間をシティセールスの観点から活用する手法を学びます。ぜひご参加ください。
日時:2月20日(火曜)午後6時から
場所:市役所1階 東側休憩室
(政策秘書室 真下 健志)