めるまが72(2017年3月10日配信)
~今月の目次~
(1)政策形成アドバイザーの徒然
(2)戸田市政策研究所の活動紹介
(3)戸田のここに注目!
(4)戸田ゼミの取り組み
(1)政策形成アドバイザーの徒然
原点に戻って考える
今年度の「政策形成アドバイザーの徒然」は、政策づくり(地域づくり)の視点を考えてきました。最後に伝えておきたいのは、やはり原点に戻って考えることの重要性です。地方自治体の原点は何でしょうか。いろいろな考えがあると思います。その中で、まず注目したいのは、地方自治法になります。なぜならば、地方自治法が直接の根拠法だからです。
地方自治法に、地方自治体の拠り所が明記されています。地方自治法第1条の2に「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする」とあります。原点は「住民の福祉の増進を図ることを基本」になります。政策づくりは、この観点から考えなくてはいけません。
例えば「様々な政策を実施したら、結果として住民の福祉が増進した…」というのは、やや効率が悪いです。そうではなくて、「住民の福祉が増進するように政策づくりを進めていく」という発想が求められます。この「住民の福祉の増進」は重要なキーワードです。しかし、忘れている自治体職員が意外に多くいます。それではいけないと思います。
もう一つ重要なキーワードをあげるとすれば、地方自治法第1条の冒頭にある「この法律は、地方自治の本旨に基いて…」の「地方自治の本旨」です。この意味は、住民自治と団体自治であると解されています。双方の意味は、読者なりに調べてみてください。政策づくりは、基本というか、拠り所というか…原点を忘れてはいけないと思います。。
(政策形成アドバイザー 牧瀬 稔)
(2)戸田市政策研究所の活動紹介
「戸田市政策研究所 研究成果発表会」のご案内
戸田市政策研究所では、1年間の研究成果報告の機会として、2017年3月22日(水曜)午後1時30分から、戸田市役所大会議室にて「戸田市政策研究所 研究成果発表会~政策開発の手法と実践2017~」を開催します。
第1部では、法政大学地域研究センターとの共同研究『地域コミュニティの世代間断絶をつなぐ、女性の地域開業の可能性(1年目)』の中間報告を行います。同研究では、これまで実際に開業されている方や開業を検討している方を対象に、ヒアリング調査を実施してきました。今回は中間報告として、戸田市の地域特性やヒアリング調査から見えてきた、戸田市での女性の開業支援の方向性などについて報告する予定です。
また、第2部では、目白大学との共同研究として実施してきました『戸田市における若年層の「まち意識」の実態とその育成の可能性-20代・30代を対象とした意識調査とワークショップの実験的運用から-(2年目)』の成果報告を行います。初年度のアンケート調査から、潜在的な若年層のまちづくり意識の高さが見えてきたため、今年度は試験的な取組としてワークショップを実施し、対象層がどういった考えを持ち、どうしたらまちづくりに参加する一歩を踏み出すことができるかを検証してきました。今回は、2年間の総括として報告します。
なお、研究成果発表会の詳細については、政策研究所ホームページにも掲載していますので、参加をご希望の方は、お気軽にご連絡ください。
【戸田市政策研究所ホームページ】
http://www.city.toda.saitama.jp/soshiki/111/hisyo-symposium.html
(主任研究員 長谷川 昌之)
(3)戸田のここに注目!
公立学校情報化ランキングで埼玉県第1位!~ICTの活用で授業が変わる~
先日、日経Bp社がまとめた「全国市区町村公立学校情報化ランキング2016」が発表され、戸田市は埼玉県内で第1位との評価を受けることができました。
このランキングは、文部科学省が全国の公立学校を対象に実施した「学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果」(2016年3月1日時点)を基に、日経Bp社が算出したものです。評価項目は大きく二つあり、一つ目は児童生徒用Pcの導入率などの「インフラ整備」、二つ目は教員の授業への活用力などを示す「教員指導力」です。戸田市はこの両面で高く評価されました。
戸田市では、積極的にICT機器を活用し、魅力ある授業づくりを推進しており、その取組の一部をテレビ広報番組「ふれあい戸田」(10分番組)でご紹介しています。小学校や中学校で実際の授業風景として社会、体育、音楽の授業でのタブレットの活用の様子、また番組後半では市が力を入れているプログラミング教育についてもご紹介しています。ぜひご覧ください。
<YouTube>
「とだっ子 新しい学びへの取り組み~戸田市のICT教育~」(2017年2月放送分)
https://www.youtube.com/watch?v=f9Fwnfpojsw
(政策秘書室 生出 豊)
(4)戸田ゼミの取り組み
第9回(2月20日)最終回の報告
今年度の戸田ゼミでは、「地域のことを知る」という大きなテーマを設定し、全9回実施しました。
初回は、政策形成アドバイザーによる「戸田づくり」という演題で、将来推計人口や将来都市像、市の花・木などの確認テストから始まり、知っているようで忘れてしまいがちな内容の振り返りを行いました。2回目以降は、ゼミ参加者による地域の課題に関する議論や地域金融機関による公開講座、行員との意見交換会、地域経済分析システムを活用した現状把握などを実施し、普段の業務では接することの少ない分野を掘り下げ、新たな気づきを得てきたところです。
また、最終回では政策研究所長である副市長と参加者による意見交換会を実施し、若手職員が感じている業務の課題など、所長から直接アドバイスや問題提起をいただくことで、引き締まった回となることができました。今年度の戸田ゼミは第9回で終了ですが、参加者にとって少しでも成長できる場になっていれば幸いに思っています。
皆さん、「自学」していますか?来年度も、職員の政策研究能力向上のため、有志職員と共に試行錯誤をしながら実施する予定です。今度とも戸田ゼミをよろしくお願いいたします。
(主任研究員 長谷川 昌之)