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めるまが68(2016年11月10日配信)

掲載日:2016年12月8日更新

~今月の目次~
(1)政策形成アドバイザーの徒然
(2)戸田市政策研究所の活動紹介
(3)戸田のここに注目!
(4)戸田ゼミの取り組み

(1)政策形成アドバイザーの徒然

政策づくりはゼロベース思考も大切
前回は「複眼思考」の重要性を指摘しました。今回は「ゼロベース思考」を紹介したいと思います。いきなりですがクイズです。それは「フジテレビで放送しているサザエさんの旦那さんであるマスオさんは何歳でしょうか?」です。あの風貌やキャラクターから、マスオさんを何歳と思うでしょうか。少し考えてから、次のパラグラフに進んでください。
回答は28歳になります。「意外!」と思った方も多いのではないでしょうか。フジテレビの説明を読むと、マスオさんは「大阪府出身で、早稲田大学を卒業し、海山商事営業課に勤務しています。生真面目でおひとよしな性格により、損な役回りになってしまうこともありますが、家族に囲まれて日々、幸せに暮らしています」などと記されています。
私はマスオさんを直感的に35歳くらいと考えていました。私が、マスオさんが享受する政策をつくろうとすると、35歳をイメージして検討します。しかし、マスオさんは28歳であるため、つくった政策がマスオさんには行き届かない可能性があります。私の「マスオさんは35歳だ」という勝手な思い込みにより、政策の対象外になってしまう可能性があります。
政策づくりを進める時に、私たちが抱いている勝手な考えや一般的に言われている通説などを捨てる必要があります。私たちの勝手な思い込みは、政策づくりには弊害として働きます。では、どうすればいいのかと言いますと、政策づくりを進める時は、原則すべて「疑う」ことです。ゼロベース思考とは「ゼロの状態から検討しなおすこと」を意味します。
今回、言いたかったことは「固定的な観念や偏った考え方に加え、一般的な通説などを捨てる必要がある」ということです。政策づくりの過程で、問題を発見したり、的確に住民の考えを把握したりするためには、ゼロベース思考がとても役立ちます。そのためには、「疑う」ことから政策づくりを進める視点(ゼロベース思考)がとても重要です。

(政策形成アドバイザー 牧瀬 稔)

(2)戸田市政策研究所の活動紹介

「自治体シンクタンク研究交流会議Insasebo」にて情報交換
戸田市政策研究所は、戸田市全体の政策形成力を高め、政策を的確に実践していくために2008年4月に設置された自治体シンクタンクです。こうした自治体シンクタンク(都市シンクタンクなど)と呼ばれる組織は全国に40~50程度あり、調査研究活動を中心に取り組んでいます。
自治体シンクタンクと一言で括っても、戸田市のように自治体内部型もあれば、任意団体や広域連合、一般財団法人など様々な設置形態があり、それぞれの団体に強み・弱みを持ち合わせています。また、自治体シンクタンクはそれぞれが独自に活動しているため、共通する課題解決手法や参考となるような活動の情報が不足してしまうなどの課題がありました。
そのため、数年前から自治体シンクタンクの在り方や共通課題の改善方策について議論し、ネットワークを構築することを目的として毎年1回自治体シンクタンク研究交流会議を開催し、研究活動の向上に努めています。
先日、この自治体シンクタンク研究交流会議が長崎県佐世保市で開催され「人口減少社会下の自治体経営~シンクタンクは官民連携と広域連携をどう進めるのか~」をテーマとして活発な議論が行われました。ここでの議論の中身は、紙面の都合上お伝えすることができませんが、最も感じた点としては今後の自治体シンクタンクの在り方として、外部との連携は不可欠であると感じたところです。机に座っているだけでなく、アンテナを常に広げて、自ら動く研究員でありたいと改めて感じたところです。

(主任研究員 長谷川 昌之)

(3)戸田のここに注目!

戸田市起業支援センター「シェアードオフィス」~皆さんのアイディアやビジネスプランを応援します~
戸田市起業支援センター オレンジキューブは、起業家を支援・育成するための公的なインキュベーション施設です。事業の段階に応じて低廉なオフィススペースを提供するほか、各種アドバイザーによるビジネスサポートやスキルアップのためのセミナーを開催し、事業が軌道に乗るまでの創業期をサポートしています。今回は、2016年4月にオレンジキューブ内に設置された共有スペース型のオフィス形態「シェアードオフィス」の機能をご紹介します。
施設紹介:
日差しが差し込む明るい空間。約36平方メートルのゆったりスペースで、皆さんのビジネスアイディアを育てることができます。JR埼京線戸田公園駅から徒歩3分という立地も魅力の一つです。
利用者の特典:
フリーアドレス席が12席、電源・無線LANも完備。また、起業を目指す人や事業者にとって心強い、各種アドバイザーによるビジネスサポートが受けられます。さらに、共有の会議室の利用や郵便物の受け取りも可能です。詳しくは、市ホームページをご覧ください。
http://www.city.toda.saitama.jp/soshiki/214/keizai-oc-shoukai-top.html

(政策秘書室 冨田 涼二)

(4)戸田ゼミの取り組み

第5回(10月17日)の報告
前回の戸田ゼミでは、地域経済分析システム(Resas)を利用して戸田市のデータを調査し、気になるデータから意見交換を行いました。
戸田市は人口全体で捉えると増加が続いており、人口減少社会において他から羨ましいと思っていただけるような伸び率を示しています。しかし、転入出先のデータを調べてみると、市民の転出先としては埼玉県の東部に移っていることがわかります。すでに、転入先としての地価や物件の手頃さといった点は、戸田市から無くなりつつあるということがわかりました。
また、市内企業のデータとしては、県内企業よりも黒字である企業の割合が低く、市内企業の活性化や創業支援などの必要性も改めて感じたところです。データだけでは詳細はわかりませんが、どの部分を掘り下げて調査していけばよいかを考える非常に良い機会となりました。

第6回(11月15日)の案内
第6回では、外部から講師をお招きして公開講座として実施します。
今回のテーマは「効果的なシティプロモーション動画」について、中小企業診断士の先生をお招きして開催します。講師の先生は、Mpa(中小企業診断士研究会)で活動されており、シティマーケティングに精通しているとともに、ゆるキャラやプロモーション動画などを通じて自治体の活性化に向けた支援などもされております。公開講座として開催しますので、ご関心のある方はご連絡ください。
日時:11月15日(火曜)午後6時から
場所:市役所5階 大会議室C

(主任研究員 長谷川 昌之)

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