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めるまが65(2016年8月10日配信)

掲載日:2016年12月8日更新

~今月の目次~
(1)政策形成アドバイザーの徒然
(2)戸田市政策研究所の活動紹介
(3)戸田のここに注目!
(4)戸田ゼミの取り組み

(1)政策形成アドバイザーの徒然

弱者への対応のまなざしは持つ

前回は政策展開の結果、発生する「利益」と「不利益」を把握することの重要性を言及しました。政策を進め実施することにより、必ず利益と不利益が発生します。そこで政策づくりのポイントとして、不利益を改善するための政策も用意しておくことが大事です。不利益を縮小化することで、地域全体の幸福感を高めていく一視点を紹介しました。このような政策づくりを進める上で、一つ注意しなくてはいけないことがあります。
それは「弱者は例外」ということです。政策づくりを進め、実際に展開をすることにより、多くの一般人が利益を受け、少ない弱者が不利益を受けるとします。この場合は「最大多数の最大幸福が基本だから、不利益を被る弱者は我慢してもらう」というのは、私はいけないと思います。自治体の一つの責務に弱者への対応があると思っています。この点は様々な見解があります。あくまでも私の意見なのでも読者の皆さんも考えてみてください。
社会的弱者とは、一般的には「雇用・就学の機会や人種・宗教・国籍・性別の違い、あるいは疾患などによって、所得・身体能力・発言力などが制限され、社会的に不利な立場にある人」と定義されます。具体的には、高齢者・障害者・児童・女性・失業者・少数民族・難民・貧困層などが社会的弱者となり得ると言われています。弱者救済と言うと重たい感じがしますが、自治体の役割の一つに弱者への対応があると、私は思っています。
もう一つ注意することは「敗者と弱者を見極める」ということです。敗者はチャンスを生かして勝者になるかもしれません。しかし弱者は基本的に弱者にとどまることが多いのが実態です。弱者という立場を改善していくことは難しい現実があります。ここで指摘している「見極め」は、現実的には難しいことは、私は理解しています。地域全体の幸福感の増進が自治体の基本的な役割です。ただし弱者だけは例外と思っています。

(政策形成アドバイザー 牧瀬 稔)

(2)戸田市政策研究所の活動紹介

「外部研究機関への職員派遣」今年度から2年間、派遣研修として外部の研究機関へ2名の職員を派遣しています。今回は、2名の派遣先について紹介します。

(1)公益財団法人日本都市センター(研究員 千葉 尚樹)
公益財団法人日本都市センターは、全国813の市区長により組織される全国市長会のシンクタンクとして、都市自治体の政策に寄与するため、主に調査研究事業、研修事業、情報提供事業の3つの事業を柱として活動を行っています。
調査研究事業では、学識経験者や自治体職員からなる研究会を設置し、研究会での議論や先進的な取組を行っている自治体に現地調査を行い、報告書という形で刊行物を発行しています。
研修事業では、全国の市長や都市自治体関係者を対象に、シンポジウム等を開催し、自治体の抱える課題や都市政策について情報交換、意見交換を行い、その解決の諸方策を議論する場を設けています。
情報提供事業では、年2回機関誌を発行し、時々の都市問題に沿った特集論文や、調査研究内容の紹介を行っています。また、機関誌や報告書はホームページで全文ダウンロードが可能となっており、広く公開しています。詳しくはホームページをご覧ください。
【日本都市センターホームページ】
http://www.toshi.or.jp/

(2)プラチナ構想ネットワーク(研究員 駒崎 大樹)
プラチナ構想ネットワークは、小宮山宏会長(東京大学第28代総長、株式会社三菱総合研究所理事長)が中心となり2010年に発足、設立した任意団体で、自治体会員約140団体、企業会員約80団体他計280団体で構成されています。
プラチナ構想ネットワークでは、プラチナのように光り輝く威厳ある社会を目指し、エコロジーで、資源の心配がなく、老若男女全員が参加し、心もモノも豊かで、雇用がある社会のことを「プラチナ社会」とし、この「プラチナ社会」を目指す人々が連携して前へ進むための構想のことを「プラチナ構想」と定義し、様々な活動を展開しています。
具体的には、「プラチナ社会」の理念や形成普及、全国の自治体職員や将来を担う子どもたち等の人財育成支援、イノベーションの実装に向けた活動を通じて、自治体、企業、大学等の研究機関、海外都市のネットワーク構築、新たなイノベーションの創出及び横展開を図っています。活動の詳細についてはホームページをご覧ください。
【プラチナ構想ネットワークホームページ】
http://www.platinum-network.jp/

(3)戸田のここに注目!

人口増加数:全国第15位! 人口増加率:全国第7位!!
2015年国勢調査(人口速報集計結果)によると、10月1日現在の日本の人口は1億2,711万人となり、前回(2010年)に比べて、人口が94万7千人も減少しています。国勢調査としては、調査開始以来初の人口減少となっています。
一方、戸田市に目を転じますと、人口136,083人で前回からの増加数は13,004人(全国第15位)、増加率は10.6パーセント(全国第7位)になりました。日本全体としては、5年間で戸田市の約7倍もの人口が減少しているなか、継続して増加し続けていることは誇らしい結果ではないでしょうか。
戸田市は首都圏に隣接しているため、交通の利便性の良さ(地の利)が人口増加の最大の要因であると言えます。しかし、行政サービスや子育て環境、最近では教育環境の充実などを理由として、「選ばれるまち」へと変貌を遂げつつあります。
社会情勢は今までとは比べ物にならないスピードで変化し、人口減少社会という新たな局面に立たされています。現状に満足することなく、「まだまだ戸田市を良くすることができる」と常に考えて5年後を笑顔で迎えたいと思います。

(主任研究員 長谷川 昌之)

(4)戸田ゼミの取り組み

第3回(7月25日)の報告
今年度の戸田ゼミでは、戸田市の現状を深く知りたいとの意見があり、実際に地域で活躍されている他業種の方々との交流について要望が多くあったところです。そこで、他業種の方と意見交換できる機会を探していたところ、第4回以降の戸田ゼミにおいて地域で活躍されている金融機関の方に戸田ゼミでの講演や意見交換を行うことについて、承諾をいただきました。
第3回では、次回以降の戸田ゼミを視野に入れ、(1)少子高齢化(+人口減少)の影響、(2)金融機関と自治体との連携の2つのテーマについて、ゼミ参加者同士で意見交換を行いました。
少子高齢化に関しては、自治体だけでなく金融機関においても「(ターゲットとしたい)顧客が減る」との共通した課題があり、自治体と金融機関が連携して事業を進める利点はあるのではないかとの意見がありました。一方で、地方創生の流れを受けて、多くの自治体が金融機関との協定を締結していますが、融資以外の点で金融機関と自治体が連携することによって何ができるかはっきりとイメージできないといった意見もありました。そのため、まずは金融機関がどのような業務を行い、地域貢献に向けてどういった考えを持っているのかを知る必要があるとの意見が多くあったところです。
今回の意見については、戸田ゼミ参加者間で情報共有し、次回以降の戸田ゼミで活かしていきたいと考えていま

(主任研究員 長谷川 昌之)

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