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めるまが51(2015年5月11日配信)

掲載日:2016年5月24日更新

~今月の目次~
(1)政策形成アドバイザーの徒然
(2)戸田市政策研究所の活動紹介
(3)戸田市政策研究所研究員の徒然
(4)戸田ゼミの取り組み

(1)政策形成アドバイザーの徒然

国は「人口を減らす」ことを宣言しています
今年度に入り、地方創生の動きが活発化しています。地方創生の意味は不明瞭ですが、私なりに考えると「人口減少対策」と捉えています。地方創生における国の基本目標は「地方が成長する活力を取り戻し、人口減少を克服する」になります。そして基本的視点として「50年後に1億人程度の人口を維持する」ことを掲げています。ちなみに抜本的な対策をとらないと、50年後は8千万人程度になるという将来人口推計があります。
国の掲げる「50年後に1億人程度」を維持するため、国は基本的視点として1.若い世代の就労・結婚・子育ての希望の実現、2.「東京一極集中」の歯止め、3.地域の特性に即した地域課題の解決、を掲げています。これらの視点を達成するため、自治体は地方人口ビジョンを明確にし、「地方版総合戦略」を策定する動きに取り組みつつあります。同戦略は、1.から3.を達成するための施策や事業を網羅した行政計画になります。
5月を迎え地方人口ビジョンを打ち出す自治体が出てきました。その中には50年後に「今より人口を増加させる」こと明記している事例もあります。日本の人口は減少していきます。その中で人口増加を実現するには、よほど思い切ったことを実施しなくてはいけません。人口の増加を謳うことは否定しません。しかし、その中身を観察すると「希望」や「願望」の域を出ていません。しかも根拠が乏しい希望や願望となっています。
地方人口ビジョンを検討するときに注意することは、国は「今より人口を増やす」とは言っていない点です。国は、50年後に今より2千万人減少することは受け入れています。この数字は2010年と比較して17パーセント減となります。人口減少は認めつつ、その速度を緩やかにすることを国は言っています。それを勘違いして「人口を増やす」と捉えている自治体があります。今年度のめるまがは、人口減少について考えていきます。
(政策形成アドバイザー 牧瀬 稔)

(2)戸田市政策研究所の活動紹介

「第5回都市調査研究グランプリにてグランプリ受賞!」
戸田市政策研究所では、研究テーマを事前に「政策研究」と「政策企画」にわけて実施しています。1つ目の「政策研究」は、必ずしも施策化・事業化を前提としない研究であり、複数年で結論を導出しています。
2つ目の「政策企画」では、施策化・事業化を前提とした研究と位置づけ、原則として1年間で結論を導出することとしています。戸田市政策研究所の特徴の一つとしては、この「政策企画」から事業化につながる研究が多いことが挙げられます。
昨年度末、「政策企画」から事業化につながった研究が対外的に評価されましたので、紹介させていただきます。
公益財団法人日本都市センターでは、全国の都市自治体等で行った調査研究を募集し、特に優秀な事例を表彰する「都市調査研究グランプリ(Cr-1グランプリ)」を実施しています。この第5回都市調査研究グランプリにおいて、2013年度実施した「スマートフォン等を活用した新たな市民参加に向けての研究」が独自性と汎用性を備えた研究として評価され、グランプリを受賞することができました。
今後も「政策研究」と「政策企画」をバランスよく進めることで、長期的な課題だけでなく時代の流れに即した研究を進めていきたいと考えています。
(研究員 長谷川 昌之)

(3)戸田市政策研究所研究員の徒然

Gwは高校野球の応援三昧。無心に白球を追う高校球児の姿は、欲で汚れた大人の心をきれいに洗い流してくれる。
熱戦を観戦しながら勝ち抜いているチームを冷静に分析してみると、当然のことかもしれないが、1.フォアボールを出さない、2.エラーをしないことが共通点のようだ。強いチームは、フォアボールによる出塁やエラーによる進塁からチャンスを生み出し得点につなげている。このほか、投手力、守備力、切れ目ない打線など様々な要因もあると思うが、強いチームこそ、対戦相手のフォアボールとエラーをチャンスに切り替え、抜け目ない攻撃を生み出し得点に繋げていると感じた。
地方創生が叫ばれ、都市間での競争が激化している。強い自治体になるためには、守りでは、1.フォアボールのような無駄をしない、2.エラーのようなミスを犯さないことに尽きる。人口が増加しているという視点では、勝ち組とも言える戸田市。しかし、無駄な行政サービスやミスがあれば、逆転負けも否めない。一方、攻めでは、派手なホームランは必要ない。市民生活の向上に繋がるヒット政策を生み出し、ヒットとヒットで繋ぎながら、着実に得点を重ねることで、自治体の頂点を目指したい。
言うまでもなく、攻守にわたり、堅実な行政サービスを進めていくためには、職員一人ひとりの毎日の修練が欠かせない。しっかりと基礎を身に付け、それを応用に発展させていくことで、地方創生時代を勝ち抜いていけるのではないか。
Gwの過ごし方は人それぞれだが、渋滞に気がめげることなく、心をリフレッシュさせてくれた高校球児に感謝のエールを送りたい。
(副所長 梶山 浩)

(4)戸田ゼミの取り組み

戸田市政策研究所では、職員一人ひとりの政策形成能力の向上を目指して、庁内自主勉強会「戸田ゼミ」を開催しています。この勉強会は、参加希望者を対象に月1回程度開催しているもので、今年度で8年目を迎えています。
昨年度はゼミ生が4グループに分かれ、一年を通して「シティセールス」について研究しました。最終回で行われた研究発表会では、各グループから若手職員の自由な発想を形にした研究成果が披露され、ゼミ生の政策形成能力の向上を実感しました。また、全4回の公開講座では、民間企業や大学から講師を招き、政策開発、シティセールス等について講演していただきました。行政では気付かない視点からの貴重なお話ばかりで、参加者全員が良い刺激を受け、視野を広げることができました。
今年度は、5月から2月までに全9回の開催を予定しております。
5月29日の第1回目では、戸田市政策研究所長から8年目を迎えたゼミ生に講話があり、第2回目は、今年度のテーマをゼミ生同士で考え、意見交換する場とする予定です。
この戸田ゼミでは、他自治体職員の方との交流の場としても機能しています。参加を希望される方は、お気軽にご連絡ください。
(研究員 川田 哲朗)

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