めるまが46(2014年10月10日配信)
~今月の目次~
(1)政策形成アドバイザーの徒然
(2)戸田市政策研究所の活動紹介
(3)戸田市政策研究所研究員の徒然
(4)戸田ゼミの取り組み
(5)第1回シティプロモーションシンポジウムのご案内
(1)政策形成アドバイザーの徒然
実績づくりとしての図書出版
設立してから「戸田市政策研究所の初年度に何か大きな実績がほしい」と考えていました。これは、筆者だけに限らず、山本副所長をはじめ研究所全員が考えていたと思います。そのような中、政策企画である「イケチョウ貝を活用した水質浄化とブランド化に関する展望」が国の「地方の元気再生事業」に認定され、埼玉大学との共同研究がはじまりました。
もう一つ大きな実績がほしいと考えていました。そこで取り組んだのが図書出版です。筆者は、「図書出版はインパクトが大きい」と思っていました。一般的に、自治体職員は新しい取組を嫌がる傾向があるので「戸田市政策研究所も嫌悪感を持つかな」と思っていました。この思いは筆者の杞憂に終わり、すぐに図書出版に向けて動き出すことになりました。
初年度の何もない状態からの図書出版だったので、研究所の皆さんは大変に苦労したと思います。しかし一致団結して乗り越えました。なお一番苦労したのは出版社の湯浅さんだったと思います。出版社にとって、自治体の取組を図書にするのは初めてであり、採算が合うか気になっていたようです。しかし、この思いも、やはり杞憂だったようです。
戸田市政策研究所の特徴は、図書出版を2年連続実施したという点です。今日では、少なくない自治体シンクタンクが図書を出版しています。しかし2年連続はありません。本当は、3年連続で出版したく、実際に動いていたのですが、様々な事情から断念しました。それでも2年連続図書を出版できたことは、同研究所の「誇り」になっていると思います。
(政策形成アドバイザー 牧瀬 稔)
(2)戸田市政策研究所の活動紹介
昨年、各部局の次長職で組織された「まちづくり戦略会議」において、「戸田ボートコースの水辺環境を活かしたまちづくり」について1年かけて研究されました。
戸田ボートコースは、その素晴らしいロケーションと市内外への認知度及び市民の愛着の面からも戸田市を代表する地域資源です。一方、戸田ボートコースを含めた県営戸田公園については、ボート競技者による水面利用がほとんどであり、一般市民が集い、憩うには、十分な公園整備がなされていないのが現状でした。
そこで本研究提言では、ハード面では市民が憩える場所づくりを目指し、観覧席や遊具等の新設、また、ソフト面では公園整備後の活用案などについて、そして、主にファミリー層をターゲットにしていることから、駐車場の増設についても提言を行いました。
この研究は政策企画として実施されたものであることから、今年度に入り市長より所管課に対し指示書が出され、現在は戸田公園を所管している埼玉県と協議を行っています。また、この戸田ボートコースの施設整備等の実現及びその利活用に向けた取組については、組織横断的な分野であることから、関連する所管課の担当者で検討会議を組織し、議論を重ねていく予定でいます。
戸田ボートコースの整備は、2016年の市制施行50周年記念事業や2020年東京オリンピックの開催において、シティセールスの観点からも国内、海外に「戸田市」をアピールできる絶好の機会と考えています。市民の憩いの場とシティセールス、正に一石二鳥となるような施設になることを期待しています。
(主任研究員 内山 敏哉)
(3)戸田市政策研究所研究員の徒然
日本語の使い方に苦戦しています。4月、政策担当に異動となり、政策研究所の研究員として今まで以上に文章を書く機会が多くなったからです。
そこで、少しでも文章の間違いをなくそうと、久しぶりに国語辞典を購入して言葉の意味が合っているか、不安なものは辞書を引いて確認するようにしています。
さて、先日文化庁から2013年度「国語に関する世論調査」結果が発表されました。この調査では、言葉の意味を選択する質問があり、「世間ずれ」や「煮詰まる」、「やぶさかでない」などの意味を選択する項目がありました。これらの質問の中で、残念ながら「やぶさかでない」を「仕方なくする」と間違って覚えており、本来「喜んでする」との意味であることに気づかされました。また、前回の調査のときも「役不足」を「本人の力量に対して役目が重すぎること」と、間違って使っていたことを思い出しました。
しかし、日本語の使い方は日々変わっており、「汚名返上」と「名誉挽回」を混合して、「汚名挽回」と使うことは間違いと言われていたと思いますが、最近では「汚名を着た状態をもとどおりにすること」との意味で、誤りではないと辞書にも書かれています。こうなると、日本語の使い方はさらに難しいと実感してきます。
今回の調査結果を知った後、棚に並んでいた国語辞典を机の上まで近づけました。国語辞典の力を借りて、これからの文章作成を乗り切りたいと思います。
(研究員 長谷川 昌之)
(4)戸田ゼミの取り組み
第5回(10月28日)の案内
第5回は、外部講師を招いて「マーケティングから学ぶシティプロモーション」をテーマに講演いただきます。
講演いただく株式会社地域協働推進機構は、「新しい公共空間」の創造にむけて公民連携を推進している企業で、鶴ヶ島市市民活動推進センター市民活動推進業務や流山市等の自治体が行っているシティセールスを研究している実績があるなど、自治体政策に対するマーケティング手法に強みを持っております。
今回のメインテーマであるマーケティングの手法等は、シティセールスに限らず、行政サービス全般に有効な内容となっており、行政職員にとって多角的な視点を養う良いきっかけとなることから、戸田ゼミ生のみの講義ではなく、市全職員を対象とした公開講座として広く参加者を募集します。
日時:10月28日、午後6時30分から
場所:市役所5階大会議室A
演題:「マーケティングから学ぶシティプロモーション」
今年度の講義は、各回完結を考えています。そのため、過去のゼミに参加していないから入りづらいと思っている方でも安心です。是非お気軽に事務局までご連絡ください。
(研究員 柄澤 映)
(5)第1回シティプロモーションシンポジウムのご案内
「自治体消滅」に立ち向かうシティプロモーション~“選ばれる”自治体となるために、いま何をなすべきか~
今回のシンポジウムでは、シティプロモーションに取り組んでいる自治体の首長を招き、シティプロモーション推進のための情報の共有と、さまざまな視点からの率直な意見交換を行ってまいります。
日時:11月19日、午後1時30分から午後4時30分まで
場所:日比谷コンベンションホール
千代田区立日比谷図書文化館内(千代田区日比谷公園1-4)
内容:1.基調講演「ここがおかしい、シティプロモーション」時事通信社デジタルメデイア事業本部 編成部長 武部隆氏
2.パネル・ディスカッション「“選ばれる”自治体となるために、いま何をなすべきか」
参加費:無料
対象:自治体職員、市町村議会議員、シティプロモーション活動に関心のある方
定員:100名