めるまが42(2014年6月10日配信)
~今月の目次~
(1)政策形成アドバイザーの徒然
(2)戸田市政策研究所の活動紹介
(3)戸田市政策研究所研究員の徒然
(4)戸田ゼミの取り組み
(1)政策形成アドバイザーの徒然
政策づくりは主従関係
戸田市政策研究所は、2008年4月からスタートとしています。同研究所の設立の趣旨には「市全体の政策形成力を高め、政策を的確に実践していくために「戸田市政策研究所」を設置しました」と明記されています。同研究所の役割は2点です。それは、1.戸田市全体の政策形成力を高め、2.政策を的確に実践していく、ことに集約されます。
戸田市政策研究所が設置される直前の議会(2008年3月定例会)では、神保市長が同研究所の役割として「本市の姿を、さまざまな角度・視点から多面的にとらえた政策の立案を可能とするため、専門知識を有する外部研究員を配置し、科学的な立証に基づいた調査研究を行います」と述べています。「科学的な立証」が求められていることがわかります。
ここからは筆者の記憶になります。最初、筆者に連絡があったのが山本主幹であった(確か主幹だったような・・・)。一度お会いし、その後メールでのやり取りで戸田市政策研究所の制度設計が進むことになります。山本主幹が考え、その制度設計に筆者が意見を言うという繰り返しでした。基本は戸田市職員が「主」であり、筆者が「従」の関係でした。
主従という言葉は「主君と家来」を連想させます。ここではそういう意味ではありません。当たり前ですが、政策づくりは市職員がしなくてはいけません。筆者が政策をつくったら全く意味がありません。戸田市政策研究所は、この政策づくりの主従関係が脈々と引き継がれています。今でも基本的に市職員が政策を考え、筆者はちょっと意見を言うだけです。
ところが、筆者が関係を持つ自治体の中には、政策づくりまで筆者たちに依存する場合が少なくありません。筆者が突き放しても依存してくることもあります。これでは筆者たち「外部」の人間がいなくなったときに立ち行かなくなります。その自治体に勤務する市職員が、自ら考えて政策をつくらなくては、自治体間競争には勝つことはできないでしょう。
(政策形成アドバイザー 牧瀬 稔)
(2)戸田市政策研究所の活動紹介
「2014年度戸田市政策研究所研究テーマについて」
今年度戸田市政策研究所では、次の3つのテーマについて研究活動に取り組みます。
1.「新しいまち」に向けた創造性の検証(2年間)
2.子どもの居場所等に関する研究-児童から生徒への転換期を中心として-
3.少子高齢社会への戦略(2年間)
まず1つ目の研究では、都市間競争が進んでいくなかで、どこにでもある中規模郊外都市ではなく、戸田市が爽やかで創造性豊かなまちへと発展していくための研究を2年間で実施します。
2つ目の研究では、各世代の子どもの遊び場や居場所に関する認識の違いを把握するためアンケート調査を実施し、子どもが屋外で遊ぶことの重要性を念頭に置いたうえで、戸田市の実情に即した子どもの居場所とは何かを明らかにしていきます。
3つ目の研究では、超高齢社会を勝ち抜くために、戸田市の最大の課題と言える「健康寿命延命策」について研究し、同時に未着手の少子化と高齢化の双方について将来推計等の基礎データを取りまとめていきます。なお、本研究は2年間で結論の導出を目指し、1年目には担当課職員で構成するワーキングチームを組織して基礎調査を進めていきます。
なお、各テーマの取組状況について、今後「めるまが」の中で紹介していきます。
(研究員 長谷川 昌之)
(3)戸田市政策研究所研究員の徒然
自転車の鍵を紛失し、ここ3か月ほど徒歩通勤を続けている。
久しぶりに徒歩で通勤してみると、自転車通勤では気づかなかった良い景色や出会いがあることに気づいた。
例えば、通勤途中にある小さな公園。徒歩でそばをゆっくりと歩いてみると、隅にあるベンチが色々な人にとって交流や憩いの場になっている。通る度に利用しているグループが変わり、上手く棲み分けがされているようだ。
また、警察署の前を通ると、いつも同じ時間帯に散歩している老夫婦がいる。二人はすれ違う見知らぬ人達に元気よく「おはようございます」と声をかけながら散歩している。声をかけられた人達も、その元気につられて元気よく挨拶を返す。とても素晴らしい光景だと思う。
このまちはいいまちだな、って感じるのは、そういう何げないところなのかもしれないな。ふとそんなことを思った今日この頃。
(研究員 柄澤 映)
(4)戸田ゼミの取り組み
第1回(5月20日)の報告
第1回目は、戸田市政策研究所長である山田一彦副市長から「これからの時代に向けて職員に期待すること」と題して、ご講義をいただきました。
これから予算が減っていく時代に勝負するのは職員の頭脳であり、こういった自主勉強会で政策形成能力を高め、市民の皆さんが喜ぶ政策を進めてもらいたいとの話がありました。また、何かがあっても「何とかなるよ」という楽観主義者的な心が必要であり、「絶対に自分で限界を作ってはいけない、落ち込まない、そして何事も楽しむ」このことを忘れずに今後も頑張ってほしいと、ゼミ生に力強いお言葉をいただきました。
副市長から元気をいただいたゼミ生が、第2回戸田ゼミで今年1年間の活動計画を話し合います。
第2回(6月10日)の案内
今までの戸田ゼミは年間計画を事務局が作成し開催していましたが、今年は第2回戸田ゼミにおいて、研究所の政策形成アドバイザーである牧瀬先生から助言をいただきながら、ゼミ生達自ら今年1年間の活動計画を考えます。
日時:6月10日、午後6時から
場所:市役所5階大会議室A
(主任研究員 内山 敏哉)