めるまが25(2012年9月11日配信)
~今月の目次~
(1)政策形成アドバイザーの徒然
(2)戸田市政策研究所の活動紹介
(3)戸田市政策研究所研究員の徒然
(4)戸田ゼミの取り組み
(1)政策形成アドバイザーの徒然
良好な景観づくり
9月10日は、全日本屋外広告業団体連合会が定めた「屋外広告の日」です。屋外広告物とは、屋外に掲出・設置される広告物の総称です。その表示の場所・方法については屋外広告物法や都道府県の条例などで規制されています。一般的には、商店の看板や電柱広告、ポスター、アドバルーンなどが該当します。街中は、この屋外広告物であふれています。
街の秩序ある景観を維持するために、地方自治体は条例で屋外広告物を規制しています。例えば、滋賀県屋外広告物条例は、屋外広告物の表示・掲出を原則として認めない禁止規定と、表示・掲出に一定の条件を課す制限規定を設けています。兵庫県屋外広告物条例は、必要な規制を行うことにより、「地域の良好な景観の形成を図ること」を目的としています。
有名なのは「京都市屋外広告物等に関する条例」です。京都市条例は、次の屋外広告物はダメとなっています。それは「意匠がけばけばしい色彩又は過度の装飾でないこと」(第11条)です。そのためマクドナルド等の屋外広告物は、赤色はえび茶色に抑えられてきた経緯があります。このような取組みにより、市の景観が維持されてきました歴史があります。
皆さんのお住まいの地域の景観はどうでしょうか。良好な景観でしょうか。もちろん何をもって「良好な景観」というかは、人によって異なると思います。良好の意味は「よいこと。好ましい状態であること」とあり、極めて抽象的です。ただし、「良好な景観づくり」というキーワードにより、行政や地域住民などが協力する契機になるような気はします。
(政策形成アドバイザー 牧瀬 稔)
(2)戸田市政策研究所の活動紹介
戸田市政策研究所インターンシップ制度について
戸田市政策研究所では、大学生を実習生として受け入れるインターンシップ制度を設けています。2008年から昨年度まで9名の学生を受け入れ、事務の補助や研究補助員としての市への提言などを行ってきました。
そして、今年度も8月から9月までの間に、5名の大学生を実習生として受け入れています。学生は皆それぞれ個性に溢れ、その自由な発想は、市役所である程度の経験年数を積んできた我々職員にも大いに刺激となっています。
今年の政策研究所でのインターンシップももう終盤、現在彼らが必死で取り組んでいるのは、それぞれテーマを絞っての、市への提言書の作成です。完成した提言書は、インターンシップ最終日に市長に発表する予定となっています。
様々な自治体でインターンシップは行われていますが、戸田市政策研究所のように、自治体シンクタンクでインターンシップを制度として設け、学生を研究補助員として受け入れる自治体は少ないのではないでしょうか。学生にとっても、自治体の政策を自分で考え、まとめ、提言を行うといった経験は、今後卒業論文を書く上でも、社会人になる上でも、必ず役立つものになると思います。戸田市政策研究所から巣立った若者たちが、社会に出て大いに活躍することを期待しています。
(研究員 冨田 涼二)
(3)戸田市政策研究所研究員の徒然
10年前の研究対象
私は、この4月から戸田市政策研究所に配属された新米研究者である。まちづくりに関する政策研究が主な仕事になるわけだが、大学時代は、全くハタケ違いの研究を行っていた。
大学時代は農学部に所属しており、海洋プランクトンの研究を行っていた。研究対象は、“オキアミ”というエビに似た甲殻類(分類学上は、いわゆるエビとは異なる生物)で、研究エリアは、主に三陸沖の海域だった。
オキアミは、釣りの撒き餌に利用される生物で、海釣りをされる方には馴染みがあるかもしれない。このオキアミ、実は、海の中でとても重要なポストにある(だから研究対象となる)。
オキアミ本人は、植物プランクトンを食べる草食系なのだが、逆に捕食される生き物として、例えば食卓にも登場するサバや、これからが季節のサンマ、はたまたクジラにいたるまで、多くの魚類や哺乳類の摂食物となっている。オキアミがいなければ、食物連鎖はほとんど機能しなくなる、といっても過言ではない生物なのだ。もちろん、漁業にも大きな影響を及ぼすだろう。
次回、魚を召し上がる時に、「このお魚も、もしかしたらオキアミを食べていたのかも」と思い出してみると、目の前の切り身から、大海原の営みへと想像が広がるかもしれない。
なお、科学は進歩するものである。本文は、約10年も前の記憶をたどって書いたものであり、最新の研究結果とは異なる可能性があることを記しておく。
(研究員 鈴木 伸明)
(4)戸田ゼミの取り組み
第4回(9月13日)のご案内
第4回は、「戸田市の発展に向けた、市役所と商工会の連携・協力について」と題して、ゼミ生と戸田市商工会青年部との意見交換を行います。外部の方たちとの意見交換を通して、新たな発見や今後の市が進むべき方向性などが見えてくるのではないかと期待しています。普段の業務ではなかなか経験できない、こうした庁外の方との率直な意見交換ができるのも、戸田ゼミの大きな魅力ではないでしょうか。
日時:9月13日、午後6時~
場所:市役所4階市長公室
ご案内
戸田ゼミは、自由参加型ゼミです。1回限りの参加でも結構です。外部の方でも結構です。興味がおありの方はお気軽にお問い合わせください。
今年度も、戸田ゼミでは外部団体等との交流会を募集しております。また、個人でのご参加もお待ちしております。
(研究員 冨田 涼二)