めるまが19(2012年1月11日配信)
~今月の目次~
(1)政策形成アドバイザーの徒然
(2)戸田市政策研究所の活動紹介
(3)戸田市政策研究所研究員の徒然
(4)戸田ゼミの取り組み
(1)政策形成アドバイザーの徒然
新しい観光の登場~行政そのものを観光する
新しい年を迎えました。新しい気持ちで、新しいことに取り組んでいきたいと思っています。今回は新しい観光の「行政観光」を紹介します。今日、あらゆる要素(地域に加え財やサービス等)が観光資源として活用されつつあります。例えば、「産業観光」「工場観光」「夜景観光」など枚挙に暇がありません。その観光の一つに「行政観光」が登場しました。
山本恭逸・青森公立大学教授は、行政活動そのものを観光とする取り組みを「政策観光」と称しています。山本氏によれば、政策観光とは「政策という目に見えにくいものを観光資源とする新しい観光概念」であり、「政策視察を目的に訪れるビジネス客をターゲットとする新観光政策」と指摘しています。
政策観光を「行政観光」という商品として、実際に売り出したのが株式会社Jtb法人東京です。先進的事例と考えられる地方自治体の「政策」を「知る」「見る」「学ぶ」ために観光として訪れる取り組みになります。「政策づくりのるるぶ」です。この行政観光は、観光というよりは「視察」という表現のほうが適切かもしれません。
同社が実施する行政観光の特徴は訪問する先進自治体において政策づくりに携わり、政策を実施している担当者からの説明に加え、同行講師による全国的な動向に関する講義がある点です。そして、この行政観光に戸田市も参加しています。今年の戸田市は新しい視点で、政策づくりの新機軸を打ち出していってほしいです。
(政策形成アドバイザー 牧瀬 稔)
(2)戸田市政策研究所の活動紹介
誰もが安心して暮らせるまちを目指して~戸田市版住宅セーフティネットの構築の研究~
10月に配信したメルマガでもご紹介しましたが、政策研究所では、戸田市版住宅セーフティネットの構築に向けて、現在研究活動を実施しています。これは、高齢者を中心として、生活保護受給者、外国人等、独力で住宅を確保することが困難な人や低所得の人等が、所得、家族構成、身体の状況等に適した住宅を確保できるような仕組みの構築を目指すものです。
近年、社会の高齢化に伴い、介護を必要とする高齢者が増えています。そしてその中には、低所得者や1 人暮らしの高齢者が多くいます。2010年度の国勢調査の「1パーセント抽出速報」によると、日本の総人口に占める65歳以上の高齢者の割合は23.1パーセントと過去最高値を記録し、その半数は1人暮らしだそうです。また、生活保護者数が過去最多となるなど、高齢者や現役世代の生活困窮も問題となっています。
頼れる家族やお金がなく、孤立・困窮した高齢者が増加してきている今、高齢者の住まいへの不安をどう解消していくかが課題の1つとなっています。住宅セーフティネットの構築により、高齢者の生活基盤を安定させるとともに、地域で高齢者支援をしていく土台づくりを目指して、今後も研究を進めていきます。
(研究員 佐藤真由美)
(3)戸田市政策研究所研究員の徒然
成人の日に思うこと
1月初めの3連休、全国各地で成人式が開催された。成人の日は、「おとなになったことを自覚し、自ら生き抜こうとする青年を祝い励ます日」として定められ、1999年までは1月15日であったが、翌年からハッピーマンデー制度の導入に伴い、1月の第2月曜日となっている。この日は市内でも、晴れ着姿や真新しいスーツに身を包んだ新成人の姿を見ることができた。
新成人の姿を見ると、約十年前、成人の日を迎えた頃の自分が思い出される。あの頃は、何を考えて毎日を過ごしていたのだろうか。まだ大学生で社会にも出ていなく、大人にもなりきれていないような、何とも中途半端な立ち位置にいた。まだ明確な進路も示せず、なんとなく成人の日を迎えてしまった自分が、今となっては少し恥ずかしく感じる。自分がやっと大人になったと自覚することができたのは、大学を卒業し社会に出るようになってからではないか。
今年も多くの若者たちが成人の日を迎えた。大きな夢を持った人、人生について考え始めている人、すでに社会に出ている人、ただ漠然と生きている人、様々な思いを持った新成人がいることだろう。焦る必要はないと思う。一度しかない人生、着実に自分の進むべき道を決めていってもらいたい。
(研究員 冨田涼二)
(4)戸田ゼミの取り組み
第7回(1月13日)のご案内
次回の戸田ゼミでは、自主勉強会を実施している他自治体の職員等をお招きし開催します。当日は牧瀬座長から「都市間競争と政策開発の関係」についてご講演いただいた後、ディスカッションを行う予定です。
ゼミ生のほか、主任相当職以下の職員はどなたでも参加できますので、興味のある方はご連絡ください。
日時:1月13日、午後6時30分~
場所:大会議室A
戸田ゼミでは、他自治体職員の方との交流の場としても機能しており、参加者を募集しています。また、他自治体で実施されている自主勉強会とのコラボレーションも実施していますので、お気軽にご連絡ください。
(研究員 山本 哲史)