めるまが13(2011年7月5日配信)
~今月の目次~
(1)政策形成アドバイザーの徒然
(2)戸田市政策研究所の活動紹介
(3)戸田市政策研究所研究員の徒然
(4)戸田ゼミの取り組み
(1)政策形成アドバイザーの徒然
地域活性化の方程式
毎日、さまざまな地域に足を運び地域活性の後方支援をしたり、地域が躍動を取り戻した多くの事例を目の当たりにすると、そこには共通点があるようです。その共通点を「地域活性化の方程式」として、読者の皆様に問題提起として提示したいと思います。それは、「外部協力者のノウハウ」×(かける)「自治体職員のやる気」が、まず重要になってきます。
外部協力者とは、私みたいな存在になります。このノウハウが重要です。そして、このノウハウは、1.どれだけ場数を踏んでいるか、2.どれだけ現場に軸足があるか、などにより決定されるような気がします。そして、この「外部協力者」以上に重要な要素が「自治体職員のやる気」となります。この「やる気」により、地域活性の成果も変わってきます。
この「自治体職員のやる気」の部分は、「自治体職員の政策形成能力」と換言してもいいような気もします。しかし、その政策形成能力は、その職員のやる気の積み重ね(経験の積み重ね)が大きいような気がするので、「やる気」としました。この「外部協力者のノウハウ」×「自治体職員のやる気」が、活性には第一義的に重要な要素になると考えています。
そして、これらに加えて「住民の納得と理解」も重要です。つまり、「外部協力者のノウハウ」×「自治体職員のやる気」×「住民の納得と理解」が、地域活性化の方程式になるのではないかと仮説を持っています。実際に、地域が活性化に向けて好循環しはじめた多くの事例をみると、これらの要素が大きいことが理解できます。皆様の地域はどうでしょうか。
(政策形成アドバイザー 牧瀬 稔)
(2)戸田市政策研究所の活動紹介
「政策形成基礎・応用研修」の開催
政策研究所では、政策形成アドバイザーの牧瀬先生を講師とし、職員一人一人の政策形成能力の向上を目的として、「政策形成基礎・応用研修」を開催しています。基礎研修では、政策形成能力の必要性・重要性について理解するとともに政策形成の基礎を習得し、応用研修では、政策提案に必要な文章作成等の技法の習得を図ります。
先月、新規採用職員の皆さんを対象に、基礎研修の第1回目を実施しました。第1回目では、「政策づくりの視点」、「地域ブランドの意味を考える」の二本立てで政策形成アドバイザーが講義を行い、政策の意味、政策力を高めるポイントについて学ぶとともに、地域ブランドの意義や事例について考えました。
「政策形成能力」というと難しく感じますが、分かりやすい言葉で換言すると、「問題発見力」、「問題解決力」、「創意工夫力」などが当てはまります。より充実した住民サービスを実現し、住民福祉の増進を図るためには、この政策形成能力を今まで以上に向上させていかねばなりません。
職員の皆さんの能力向上の一助として、本研修を活用いただければ幸いです。
(研究員 佐藤 真由美)
(3)戸田市政策研究所研究員の徒然
シティセールスと人口獲得
先日、ある番組で自分の田舎のA町(現B市)の水田がテレビで取り上げられたのを目にした。B市は、コシヒカリの特A産地であり、日本の棚田百選にも認定された場所がある。平成の大合併により、人口約3千人のA町が、約6万人のB市になったが、田舎の集落の人口は減る一方で、行政職員になってからは、当市の行政運営の動向が気になっていた。
そのようなまちが、テレビで取り上げられるようになった要因の一つは、昔からそこにある水田というものを「地域資源」と捉え、戦略的に売り込んでいったからだと考える。また、B市周辺では、約600k平方メートルという広大な市域を「資源」と捉え、まち全体をアート作品展示場にし、その結果、交通機関も決して多いと言えないのにも関わらず、年間350万人もの観光客が訪れている。
ここで重要なのは、これらの取り組みがB市の住民にとって、住民福祉の増進につながったかということである。この取り組みだけの市民意識調査はとっていないため不明であるが、田舎の祖父母や親戚に話を聞くと非常に満足感を得ている。
なかなか日頃、生活の拠点となっている場所の良さ(地域資源)には気付かない。その気付きにくい良さをしっかりと市民(定住人口獲得の場合)、市外の方(交流人口獲得の場合)に伝えていく、そんな能力(先月号の牧瀬政策形成アドバイザーの徒然にもあったが、「自治体の営業活動」)がこれからの自治体職員には必要なのではないでしょうか?
(主任研究員 山本 哲史)
(4)戸田ゼミの取り組み
第2回戸田ゼミのご報告
第2回戸田ゼミは、他自治体の市政の評価について、ゼミ生による事前課題の発表及び意見交換を行いました。当日は業務多忙の中、若手職員を中心に多くの方に参加いただき、自治体職員ならではの視点から、さまざまな意見が出されました。市政の評価は人によって異なりますが、都市間競争を勝ち抜いていくために自治体に求められているものは、柔軟な発想力と大胆な政策を実行できる決断力であると強く感じました。
第3回(7月6日)のご案内
次回の戸田ゼミは、前回と同様に事前課題(他市の市政の評価をA4用紙2枚以内で言及しまとめる)を基に発表及びディスカッションを行います。ゼミ生のほか、主任相当職以下の職員はどなたでも参加できますので、興味のある方はご連絡ください。
日時:7月6日、午後6時~
場所:大会議室C
戸田ゼミでは、他自治体職員の方との交流の場としても機能しており、参加者を募集しています。また、他自治体で実施されている自主勉強会とのコラボレーションも実施していますので、お気軽にご連絡ください。
(研究員 冨田 涼二)