セアカゴケグモってどんなクモ?(彩湖自然学習センター)
戸田でも確認 「セアカゴケグモ」
外来種の「毒グモ」として知られるセアカゴケグモ。全国でも分布を広げています。2024年に彩湖・道満グリーンパーク内で確認され、その後駆除されました。セアカゴケグモについてもっとよく知りましょう。
彩湖自然学習センター4階展示室において、彩湖・道満グリーンパークで駆除したセアカゴケグモの標本を展示しています。
セアカゴケグモってどんなクモ?
オーストラリア原産のヒメグモ科のクモです。日本で最初に発見されたのは1995年大阪府高石市です。輸入資材に付着して国内に侵入したと考えられています。その後各地で発見され、埼玉県では2014年に川越市で初めて確認されました。戸田市でも2024年に彩湖・道満グリーンパーク内で確認されました。強い毒を持つため「特定外来生物」に指定されています。
成体の大きさ(歩脚を含まず)メスは7mmから10mm、オスは4mmから6mm
オスとメスで大きさなどが異なります。
オスの背中側には赤い模様はありませんが、腹部の腹側にはメスもオスも砂時計のような赤い模様があります。
セアカゴケグモの毒はα-ラトロトキシンという神経毒です。咬まれると激しい痛み、嘔吐、痙攣などの症状をともなうと言われています。日本では死亡例は報告されていません。
生息場所
暖かい人工物のくぼみや、すき間(自動車・プランターの底・室外機の裏・庭に置いておいた靴の中などにも)などに巣網を張ります。巣は不規則な形で枯葉などがついていることもあります。
卵嚢を守っています。
襲ってくるの?
攻撃性はありません。人を襲うようなことは無く、近づくと奥に逃げていったり、落ちて死んだふりをします。
しかし、卵を守っているメスから卵嚢を引き剥がそうとすると咬みついてくる場合があるそうです。また、気づかずにつかんでしまった場合などは、咬まれるケースもあるようです。
セアカゴケグモの牙は短く、軍手をしていれば皮膚まで届くことはありません。
クモと人間
セアカゴケグモが注目されるようになってから、在来(もともと日本に生息していた)のよく似たクモも駆除されるケースが増えているようです。
怖がられるクモですが、多くのクモは人間に積極的に危害を加えることは無く、作物害虫や衛生害虫の天敵として人間にとって大切な役割を担っています。
クモの毒は、本来人間に対してのもので無く、獲物を仕留めるための毒なのです。
カバキコマチグモは在来種のクモの中で一番毒が強いそうです。卵を守り、子グモが孵化すると親グモは食べられてしまいます。
分布域が広がっています
1995年に確認された後、分布を広げています。
資材や中古自動車のバンパーに付着していたケースもあるようで、人間の活動により広がっていると思われます。
見つけたら
・素手ではさわらない
駆除する時は軍手などを使用しましょう
・殺虫剤を使用する
・見つけた状況などを報告する
戸田市の場合は、戸田市役所環境課、埼玉県中央環境管理事務所または彩湖自然学習センター(048-422-9991)までご連絡ください
・もし咬まれたら
最寄りの病院でセアカゴケグモに咬まれたことを伝え受診しましょう
このような生き物を増やさないために
外来生物被害予防3原則
1入れない
2捨てない
3拡げない
みんなで守りましょう!
セアカゴケグモのリーフレットを配布しています。
彩湖自然学習センターではセアカゴケグモのリーフレットを配布しています。
参考
本田 佳子,2014.セアカゴケグモの分拡大の現状.昆虫と自然(49):37
池田 博明,2012.「毒グモ騒動の真実」補足解説.Kishidaia(101):36-47
碓井 徹,2019.セアカゴケグモの生態と駆除に関する資料ver.3.5
馬場友希・谷川明男,2015.クモハンドブック.文一総合出版
環境省ホームページ https://www.env.go.jp/nature/intro/4document/files/r_gokegumo.pdf
写真・資料協力(敬称略)
埼玉県絶滅危惧動物種調査団代表:碓井 徹