市指定文化財(3代目戸田橋の親柱)
3代目戸田橋の親柱
戸田市指定有形文化財(建造物):2014年(平成26年)2月13日指定
3代目戸田橋は、長さ545メートル、幅11メートル、当時の橋梁技術の粋を集めた近代的な鉄製トラス橋で、完成当時は日本一斬新な美しい橋として話題を呼びました。戸田橋親水公園に移設された3代目戸田橋の親柱2基とこれに伴う欄干部は、荒川の交通とともに発展してきた戸田市の歴史を物語る重要な資料です。
親柱の下段は3段石積み、その上に彫刻を施した石の段を挟み、上段は5段石積み、その上に後世に作られた四角錘型の頂部が載ります。それぞれの柱には、正面に鋳造銅製の文字盤が埋め込まれており、向かって右側は「・玉縣」、左側は「戸田橋」と記され、「・玉縣」の文字盤には、銃痕と思われる3つの凹みが確認できます。また、左側の背面には同時に作成された520ミリメートル×400ミリメートルの説明板があり、橋の概要と由来などが記載されています。
戸田橋の設計者は、昭和初期の著名な橋梁設計士であった増田淳氏であり、親柱の下段石積みに施された隅部の面取り加工や、石積み中段に施された曲線と直線を混合させたアール・デコ調の石造彫刻など、意匠的に凝った造作が目を引きます。
所在地
戸田橋親水公園(戸田市川岸3丁目7番7地先)
関係文献
戸田市1987『戸田市史』通史編下巻
戸田市1985『戸田市史』資料編5