市民医療センター 軍神 香美(ぐんしん よしみ)医師
痛みには、急に起こる痛みやずっと続く痛み、時々起こる痛みなどさまざまなタイプがあります。病気や外傷で損傷した部位の痛みは、修復すれば消失することがほとんどです。しかし、明らかな原因が特定できないにもかかわらず、子どもが痛みを繰り返し訴えることがあります。例えば、年少の子では腹痛、年齢が上の子では、頭痛や胸痛、腹痛、関節痛などの訴えが増えてきます。
これには成長期に内分泌ホルモンや自律神経などのバランスが不均衡になりやすく、小児期・思春期のいずれも、睡眠時間やリズムの乱れなどにより、身体的な不調をきたしやすいことが原因として挙げられます。そして、子どもたちをとりまく家庭や学校など心理的・社会的な要因が複雑に絡み合い、そこでのストレスが子どもたちの痛みや不調の原因となることもあります。
子どもたちが体のさまざまな痛みや不調をくり返し訴えるのは、心の辛さを示すシグナルの場合もあれば、身体的な病気の二次的な症状の場合もあります。
子どもが体の痛みや不調をくり返し訴えて、原因が分からず心配な場合には、近くの小児科医に相談することをお勧めします。