市民医療センター 篠永 正昭(しのなが まさあき) 医師
小児頭痛外来を受診する患者の中に一定の割合で、貧血の方がいます。その場合、貧血を改善することで頭痛の頻度が減ることがよくあります。
貧血とは、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンの量が少なくなることです。ヘモグロビンは体中に酸素を運搬する働きをしているので、不足すると体中が酸欠になってしまい、さまざまな不調をきたします。「貧血は万病のもと」なのです。
また、「隠れ貧血」というものがあります。これはヘモグロビンの量が正常なのに対し、体内の鉄が不足している状態です。鉄はヘモグロビンだけでなく、筋肉に酸素を蓄えるミオグロビンの材料です。ほかにも、エネルギー産生や神経伝達に重要な役割を果たします。そのため、鉄が不足すると疲れやすくなったり、気分の不安定な状態が見られたりします。
特に成長期の子どもには、鉄分が欠かせません。鉄分を意識した食事を心がけましょう。