市民医療センター 室長 武田 純一(たけだ のりかず) 医師
「帯状疱疹」と聞くと、中高年の方では、自ら痛い症状を経験した、もしくは周りで発症した方の話を聞いたことがある病気ではないかと思います。
帯状疱疹は水ぼうそうと同じ「水痘・帯状疱疹ウイルス」が原因です。子どもの頃に発症した水ぼうそうウイルスが、何十年も体の中に潜んでおり、加齢や疲労、ストレスにより免疫力が下がった際に発症します。典型的な症状は体の片側に出る帯状の発赤や水疱で痛みを伴います。特に50歳以降から発症しやすく、80歳までに約3人に1人は発症するとされています。発症時には速やかに内科や皮膚科での治療をお勧めしますが、後遺症として痛みが長期化することがあります。このため、現在はワクチン接種により、帯状疱疹を予防することも推奨されています。
帯状疱疹の予防接種は主に50歳以上が対象ですが、乾燥弱毒生水痘ワクチン(生ワクチン)と、乾燥組換え帯状疱疹ワクチン(不活化ワクチン)の2種類があります。それぞれの特徴など詳しくは、予防接種の可能な医療機関にお問い合わせください。
戸田市では、50歳以上の市民を対象に帯状疱疹ワクチン任意予防接種の費用助成制度を開始しました。詳しくは「帯状疱疹ワクチンの接種費用助成について」をご覧ください。