血圧とは心臓から送り出された血液が動脈の内側の壁を押す力のことで、通常日中は高く、夜間・睡眠中は低くなります。高血圧は、上の血圧が140ミリメートルHg以上、または下の血圧が90ミリメートルHg以上の場合、あるいはこれらの両方を満たす場合に診断されます。高血圧には原因を一つにしぼれない「本態性高血圧」と、原因が明らかな「二次性高血圧」の2種類が存在しますが、日本人の高血圧の約8~9割が本態性高血圧と言われています。
高血圧は「サイレントキラー」(静かなる殺人者)と言われ、ほとんどの方が自覚症状がないにもかかわらず、脳や心臓の血管に動脈硬化を起こし、脳出血や脳梗塞、大動脈瘤、心筋梗塞など命に関わる病気につながっています。また、腎硬化症や眼底出血など生活に大きな支障をきたす病気を引き起こすこともあります。
冬は屋内外の寒暖差が大きく、春先も朝晩は冷え込むなど気温差が大きいため、血管が収縮し血圧が上がりやすくなります。病気を予防するためにも、家庭でも血圧測定を行い、血圧が高めな方は塩分を控えるなど生活習慣に注意しましょう。
市民医療センター 内科医 山口 祐美(やまぐち ゆみ)医師