市民医療センター 内科 本多 勇一郎
高齢でも元気な方が多くなりました。しかし、長く生きると血管も老化します。心不全は血管の老化や高血圧、心臓の弁や冠動脈の障害などから起こり、日本全国では、120万人の方が通院治療を受けています。80歳以上の有病率は10%以上です。
病気が進むと、動悸や息切れ、足のむくみ、夜間尿量の増加、横になると息苦しいなどの症状が強くなります。
気になる方は、かかりつけ医にご相談ください。聴診器による心音の判定、血圧測定などを行い、疑わしい時は、胸部X線、心電図、心臓超音波検査、血液検査などを行います。
自分でできる心不全の予防や改善方法として最も大切なのは食事の塩分を減らすことと、軽い運動をすることです。コロナ禍で運動不足の方が増えました。運動不足は心臓、血管、筋肉に悪影響を及ぼします。心臓、血圧などに不安のある方は、かかりつけ医のアドバイスで運動量を決めましょう。
(注釈)心不全の薬は利尿剤とACE阻害薬(またはARB薬)を基礎薬とし、それ以外の薬はそれぞれの状態を診て処方されます